モンキービジネス

Vol.5感想:ハルムスの世界 猿の仕事

モンキービジネス 2009 Spring vol.5 対話号作者: 柴田元幸出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2009/04/20メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (66件) を見る ハルムスの世界 ダニイル・ハルムス 訳増本浩子+ヴァレリー…

Vol.5感想:黒い空間 雨の音 屋上霊園

黒い空間 雨の音 COMES IN A BOX the WEB / Comes in a Box http://www.comesinabox.jp/ Fiction 小説です あらすじ。神父と少女。 感想。少女は作者です。大変きついことを言うようですが駄作です*1。 やけに素人くさいと思ったら、猿の仕事on the webに「…

Vol.5感想:池を掘る/赤とピンクの世界 隠された棘

池を掘る/赤とピンクの世界――『燈火節』より 片山廣子(片山広子。筆名松村みね子) 「Monkey Classics: Japan」 随筆です あらすじ 「池を掘る」:昭和18年。片山の住む屋敷の庭に防火貯水池を作らせてくれと要請がくる。しぶしぶ承知、池は完成。疎開。翌…

Vol.5感想:ドクター・ナカムラ 象を撃つ

ドクター・ナカムラ バリー・ユアグロー 柴田元幸訳 連載Gangster Fables 5 あらすじ。売れない作家が映画の端役を貰ってロケ地に到着。冗談好きの監督から”ドクター・ナカムラ”のあだ名を頂戴する。女優と飲んだ後部屋に戻って眠りにつく作家。夜半監督が…

Vol.5感想:九月 部屋 バケツの騎士

九月 部屋 岸本佐知子 連載 あかずの日記5 作品中の「翻訳」はStacey Levineの”My Horse and Other Stories”よりとのこと あらすじ。翻訳進まず。郵便受け。夢の中でシャワー、腰におでき。散髪。夢の中の部屋、ケロロ軍曹の子供靴。たぶん秋はもう来ない。…

Vol.5感想:死のメッセージ――警官への指示/別の電気

死のメッセージ――警官への指示/別の電気 アンダー・モンソン 柴田元幸訳 「Monkey Contemporaries 」 小説です あらすじ。警官は仕事をする。僕と弟はアマチュア無線家である。 感想。アマチュア無線家は傑作を生み出す小説家である。 そもそも俺にとって、…

Vol.5感想:うたの猿山 校長先生

うたの猿山 「Poetry」とのこと ある”試み”です 主催者 穂村弘(歌人) ルール テーマは「猿」 俳句×1(俳人小澤實)、短歌×1(歌人水原紫苑)、詩×1(詩人小池昌代) 上記3作を翻訳家テッド・グーセンが英訳 英訳の3作を俳人佐藤文香が日本語俳句に再…

Vol.5感想 ベクトルとブラウン運動のあいだで――川上弘美・小川洋子対談

モンキービジネス 2009 Spring vol.5 対話号作者: 柴田元幸出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2009/04/20メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (66件) を見る ベクトルとブラウン運動のあいだで――川上弘美・小川洋子対談…

Vol.5対話号:表紙 「成長」を目指して、成しつづけて――村上春樹インタビュー

モンキービジネス 2009 Spring vol.5 対話号作者: 柴田元幸出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2009/04/20メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (66件) を見る 表紙 今回は黄緑に空色、深紫の配色です。二匹のお猿が対話…

Vol.4感想 鰓で呼吸する ハルムスの世界 猿の仕事

鰓で呼吸する 古川日出男 あらすじ。魔女。川。海。呪い。別れ。 感想。読んでてふと このひと、文学に向かった京極夏彦だなと思った。 面白かったです。 ハルムスの世界「邪魔」「目に小石の刺さった、背の低い紳士が…」「マシュキンはコシュキンを殺した」…

Vol.4感想 死者の妻たち 偽紫田舎源氏―こたつ向け読書案内

死者の妻たち ナサニエル・ホーソーン 柴田元幸訳 あらすじ。ある兄弟の妻ふたり。彼女達はいま家の中で悲しみにくれている。夫である軍人と船乗りの悲報が相次いで届けられたのだ。夕食の後寝室に入る二人。夜半、義姉はノックの音で目が覚め、実は夫の軍人…

Vol.4感想 八月タカシ ジャッカルとアラビア人 かたぎの仕事/手品

八月 タカシ 岸本佐知子 あかずの日記4 あらすじ。子供のためにお弁当。区立まよなか幼稚園。タカコ6歳。タカコ中学生。タマゴテングタケ。分数アパート。名前を呼んでしまった責任だけ。 幻想と狂気が走り始める第四話です。あまり面白くないです。 ジャッ…

Vol.4感想 アコーディオン

アコーディオン アレクサンダル・ヘモン 柴田元幸訳 「Monkey Contemporaries 」 小説です あらすじ。1章。フェルディナント皇太子がサラエボを視察。心中の描写。彼をまったく歓迎せず命ぜられるまま機械的に小旗を振る群集。そのなかにあって、なぜか誠実…

Vol.4 不思議な子供たち 『物理の博物館』 演歌歌手

不思議な子供たち テッド・グーセン 森慎一郎訳 エッセイ?です 特に表記なし。前章「Kids!」の続きか。 概要。文学における子供。筆者は暗い目をした孤独な子供に惹かれる。金史良の短篇「光の中に」山田春雄少年。ジョイ・コガワ「失われた祖国」ナオミ・…

Vol.4感想 好きな男の子・女の子――『モンキービジネス』からの質問

モンキー ビジネス 2009 Winter vol.4 少年少女号作者: 柴田元幸出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2009/01/20メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (29件) を見る 「Kids!」とのこと さまざまな方々に表題通りの質問を…

Vol.4感想 ファントムペイン 時代の子供

ファントムペイン 三角みず紀 「Poetry」 詩です あらすじ。14歳。お姉さん。マンホール。おとなって かなしいんだ 感想。おとなになること。おとなになってしまうこと。 俺は昔書いた。おとなになることを選択したのではなくただ時は過ぎ去り訳も分からず「…

Vol.4感想 スチュアート・ダイベックと京浜工業地帯を歩く

スチュアート・ダイベックと京浜工業地帯を歩く 著者柴田元幸 絵:きたむらさとし 「Essay」とのこと あらすじ。来日した作家スチュアート・ダイベック。柴田元幸は生まれ故郷の京浜工業地帯を氏に案内する。河原の野球少年。そばうどんの「刀屋」。町工場。…

Vol.4少年少女号 表紙裏表紙 本文フォトグラフ

モンキー ビジネス 2009 Winter vol.4 少年少女号作者: 柴田元幸出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2009/01/20メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 10回この商品を含むブログ (29件) を見る 表紙、裏表紙 蛍光ピンクの雲に乗ったお猿さんが、下方…

Vol.3.5 ナイン・ストーリーズ号感想まとめ

モンキー ビジネス 2008 Fall vol.3.5 ナイン・ストーリーズ号作者: 柴田元幸出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2008/11/20メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 15回この商品を含むブログ (40件) を見る Vol.3.5感想 表紙 扉絵挿絵 対話岡田利規×…

Vol.3.5 ハルムスの世界 三篇、猿の仕事

連載ハルムスの世界 ダニイル・ハルムス 訳:増本浩子+ヴァレリー・グレチュコ 心の準備のできていない人が突然新しい考えに出会ったときにどうなるかを示す四つの例 あらすじ。「私の考えでは、あんたはくそったれだ!」 感想。感想といわれてもすごく困る…

Vol3.5 祖母の記録

円城塔 「Fiction」とのこと 小説です あらすじ。祖父は一年前階段から転倒して意識を失ったまま。主人公の青年と弟は夜な夜な祖父を「持ち出し」コマ撮りする。指一本動かせない老人がフィルムの中では時速90Kmで駆ける。祖母を操る少女と出会う。共演。…

Vol3.5 屋根裏の法学者 押し入れのトヨザキ氏

屋根裏の法学者 宇野浩二 「Monkey Classics: Japan」 小説です あらすじ。主人公は幼少より文学を志したが、いろいろあって法科に進学。卒業してもそっち方面へ就職せず生活のため売文の日々。あるとき田舎の母の扶養が必要なくなったので小説を書こうと志…

サリンジャー90歳 サリンジャー関連まとめ

謎に包まれた伝説の作家J・D・サリンジャー、90歳に 国際ニュース : AFPBB News http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2553970/3647218 去年はモンキービジネスのお陰でナインストーリーズを一冊丸々読む機会を得ました 大変幸運であった…

Vol.3.5 ドナウ川まで歩く

フィリップ・オケリー 坂井良久子訳 「Fiction」とのこと 小説です あらすじ。主人公「僕」は40Km南のドナウ川目指して歩いている。村で老婆と孫娘たちからもてなされる。峡谷を越え村に着く。隠されたきんの話をする老人と老婆から歓待を受けるが、その直…

Vol.3.5 あかずの日記3 断食芸人 張り込み/詩学

六月-七月 荒川アラパカ園 岸本佐知子 連載あかずの日記3 あらすじ。花火。アラパカ園。部屋の隅。ケーキ。再びアパート。その子の名を知っていることに気づく。 感想。この小説?は時々はっとする文章がある。 ホントに時々なんだけど。 断食芸人 フランツ…

Vol.3.5感想 村上春樹 カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロのような同時代作家を持つこと 筆者村上春樹 「Artist on Artist」とのこと。えーと何て訳すの?アーティスト、アーティストを語るみたいなニュアンスでいいのかしら? 今月イギリスで刊行されるカズオ・イシグロをめぐる論文集の序文とのこ…

Vol.3.5感想 のうみそ 仕事

のうみそ 川上弘美 連載「このあたりの人たち」3 あらすじ。友達とそのお姉さん。お姉さんはいつもおどおどしている。仕返し。「のうみそ、とお姉さんは答えた。人形ののうみそ」 感想。うぉーい相変わらずこわいなあ! この作家はどうしてこう絶妙なシチュ…

Vol.3.5感想 『ナイン・ストーリーズ』とストーリーテラーの死

『ナイン・ストーリーズ』とストーリーテラーの死 筆者ローランド・ケルツ 小林久美子訳 概要 ナインストーリーズ総評。最初と最後の短編について。 筆者個人のサリンジャー体験について。ライ麦は14歳で、ナインは二十数年前に読んだとのこと。 ライ麦畑…

Vol.3.5感想 バナナフィッシュにうってつけだった日

モンキー ビジネス 2008 Fall vol.3.5 ナイン・ストーリーズ号作者: 柴田元幸出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2008/11/20メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 15回この商品を含むブログ (40件) を見る バナナフィッシュにうってつけだった日 作…

Vol.3.5感想 表紙 扉絵挿絵 対話岡田利規×柴田元幸

モンキー ビジネス 2008 Fall vol.3.5 ナイン・ストーリーズ号作者: 柴田元幸出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2008/11/20メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 15回この商品を含むブログ (40件) を見る 表紙ほか Vol.3と同じく基調は黄色。若干…