池を掘る/赤とピンクの世界――『燈火節』より
- 片山廣子(片山広子。筆名松村みね子)
- 「Monkey Classics: Japan」 随筆です
- あらすじ
- 「池を掘る」:昭和18年。片山の住む屋敷の庭に防火貯水池を作らせてくれと要請がくる。しぶしぶ承知、池は完成。疎開。翌年屋敷は毀された。残る池。鶯。
- 「赤とピンクの世界」:裕福なおばあさんが行方不明に。一月後井戸で死体が見つかる。状況から自殺?の模様。片山は、貧乏であくせくしていたらあるいは死を選ぶことはなかったかもと思う。人に話すとあなたは赤貧を知らないからと厳しくたしなめられた。確かに、と思う。
感想。鶯の結びは神懸かってて思わず唸った*1。足腰のピンシャンした筆運び、よほどの功夫である。*2
きちんと着物を着付けたような文章、端正なたたずまい、ほんのりとしたおかしみ、読者の優越感をくすぐるとぼけた「筆者」キャラ、隠された皮肉。
とにかく。「専門家だなあ」や「ピンクいろぐらゐのびんばふ」で吹き出してしまった俺は
まんまと術中といったところ 参りました
隠された棘
- 福岡伸一
- 上記文章について自由に筆をふるったもの
- 要約。大竹昭子さんに片山さんを教えてもらった。「きっと気に入るから」。気に入った。片山広子の文章には棘がある毒がある。
感想。片山さんの好きなことがよく伝わってきました
真心は、何よりも文章に説得力を与えます