Vol3.5 祖母の記録

  • 円城塔
  • 「Fiction」とのこと 小説です
  • あらすじ。祖父は一年前階段から転倒して意識を失ったまま。主人公の青年と弟は夜な夜な祖父を「持ち出し」コマ撮りする。指一本動かせない老人がフィルムの中では時速90Kmで駆ける。祖母を操る少女と出会う。共演。フィルムは完成する。


感想。直感に従う。まぁまぁ。点数をつけるならぎりぎり及第の65点。
説明はしませんがかんなぎの処女問題です要するに。
あ、あと比較的*1文章が荒削りで残念でした。


たくさんの意味深なピースが散りばめられた小説です。タイトルとか。
俺はパズルも解釈も不得手なのでそっちはお文芸評論家みたいなひとに任せます。
主人公は弟を壁にして、各項目Yes/Noでチェックしていきます。
生命、長命、身体、思考、父母祖父母、周りをとりまく多くのものを一見軽視しているかの如き主人公。
実際は軽視とは違うようです。軽視以前にそれらに意義を感じられず噛み合わず腹に響かず困っている感じ
結果残った最大の関心事は性。

脱脂粉乳を飲み下すことができるのだから、カブトムシだって食べるだろう。

んん。物体と化した実の祖父でアニメーションを撮ることができるのだから
そんなに怖がらなくても女の子とも心通わせることだって出来るだろうに。
男の子にゃ白馬のお姫様*2はやってこないんだから。

*1:同業者・職業作家のそれに比して

*2:時速90kmのな