帰省9 帰省終了ほか

夕刻 駅まで

先日家から最寄り駅まで歩いた際、その道のりが楽しくなかったと嫁さんが言う。
もうひとつの細い道を歩いてその理由が判明した。前回の広い自動車道路はただ真っ直ぐ続くだけ、単調で見るものがなかったのだ。
今回選んだ裏道は住宅地を通り細いかわりに見るものがたくさん。我々が求めるのは移動ではない。散歩である。
山側の中学校を発見し時々見かけた中学生に合点がいく。工事中の道路を歩くと夕暮れの中、座りこんでぼそぼそとぎくしゃくした会話になってない会話をする男の子と女の子を発見。俺と嫁さんは知らん顔して通り過ぎ、しばらくしてふたりでにやにやする。
駅が見えてきた頃、右手に立派な神社。広い敷地でいかにも元旦には人であふれそうな。立ち寄り、石段を登る。手と口をすすぐ。一礼二拍手再礼。お財布を探った嫁さんが5円玉ないよという。二人分で10円玉を放る。登ってくる男性に会釈し石段を下りると車いすの老女がいた。会釈する。降りてきた男性と話し始めた。俺と嫁さんは駅に向かった。
茶店で一服しバスで帰宅。毎日のように俺の母校を通るので面映ゆい。嫁さんはその話を聞きたいかも知れないが、単に話すことがない。

昼食 映像 飛行機

翌日は両親と嫁さんとはるか西へ。ご飯を食べて市内に嫁さんとノルシュテインの作品を観る。話の話はレベルが高すぎてまったく内容が理解できませんですた。すごいシーンはいくつかあった。これは分からんと俺は困った。隣のおばさんはそれを見終わったら退席してた。このあと外套があるというのに。嫁さんを見たら寝てた。素直である。見習わなければ。
夜妹にJRAが誇る公式が病気コンテンツ・japan world cupを教える。その夜、彼女の部屋からはいつまでもファンファーレの音が聞こえてきたという。


翌日は移動日。両親に空港まで送って貰い別れる。お土産買って飛行機に搭乗。一週間ぶりに関東に降り立ち湿気を含んだ暑さにうんざりする。
嫁さんが一週間前帰郷のさい、空気がおいしいと感嘆したのを思い出した。
国会議事堂周辺でマッサージを受け大型家電屋をひとまわりして実家に一本電話。その後帰宅。

狭いながらも楽しい我が県

観光ではないのだから毎日ごろごろ寝られればよかった。なので初日の庭園美術館以外ノープランだった。それにも関わらず、気がつくとあちこち出歩き充実した休日であったと思います。


再びここで暮らすことを想像してもなにやらふわふわしてリアリティがないのが正直なところだ。
もっとも実感のなさは多くの人生の転機においてもそうであった。きっと来るべき時が来ればあれよあれよと俺を置き去りにしてそれは進んでいくのだと思う。


俺はこの県に思い出はたくさんあるが、つながりがない。
それ自体は事実だし、ある意味俺の生き様であるので後悔はない。
そのやり方のおかげで嫁さんをはじめ様々な縁を持つに至った。
いろいろ考えさせられた今回の帰省は大変満足のいくものでした。
日常に戻ります。