読書会 カンガルー・ノート

4101121249カンガルー・ノート
安部 公房
新潮社 1995-01

by G-Tools
安部公房を読めばきっと賢くなるに違いない。


あらすじ。主人公のすねにかいわれ大根が生える。恐ろしくなって皮膚科にいったら麻酔をされベッドに乗せられ地獄谷のような硫黄温泉に行けと命じられる。
どうもこうも、まともに意味の通る展開はほぼない。烏賊爆弾やお助け隊、ミス採血娘にハンマー キラー。人攫いはどこへいった。
なんのことを言っているかと思うだろうが、読んだらわかる、本当にそういう話なのだ。
さすが文学である。なにやらありがたい。
そりゃあ気の利いた解釈やこじゃれた読み解きが出来ないでもない。数人でわいわいやったのだからいっぱしの口、意味深な発言は出た。
読んでて呆れながらも面白く、集まって喋くって面白かったのだから文句言うのもおかしな話だ。
文学に相対する時の果てしのなさ正解のなさにちょっと疲れる今日この頃。


作中にも問われているが改めて、何処がカンガルー的なの。
カンガルー・ノートとはなんだったか。


答えは簡単みたい
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西洋人がカンガルーを指して「あの動物は何と言うのか」と訊いたところ、現地人は(外国語では何を言いたいのか)「わからない」という意味で「カンガルー」と答え、これがこの動物の通称となった、という有名な逸話は、中学の英語の教科書にも載ったことがあるが、俗説である。