映画「TATSUMI マンガに革命を起こした男」感想


試写会にて。
あらすじ。男は漫画に魅せられ創作の喜びを知り周囲の無理解に憤って奮闘した。


感想。作ったものを読んでもらう。転んでも遠回りしてもとどのつまりそういうことなのだろう。原稿を仕上げる辰巳ヨシヒロ先生はいい顔していた。

情念、無力感、背中

ままならぬ人生に肩を落とす主人公たちの八の字眉。
虚脱と無力感に落ち入りうつむいた視線。そんなとぼとぼとしたどんぐり眼に湧き上がる暗い情念は、時に突然、時に染み入るように起動する。
怒りだ、怒りだ。その時主人公たちに劇的な事が起こりもちろん事態は好転しない。退場。


奮闘した男にやがてニーズは発表の場を与えなくなり彼は去る、葬儀場から、繁華街から、主人公たちと同様に。その背中。
彼が吠え続けたメッセージは後進の道を切り開いた。異国の地で花を咲かせた。
彼は劇画を書く漫画家である。彼は今日もペンを走らせる。