野球号全感想:書写人バートルビー
- 「書写人バートルビー――ウォール街の物語」("Bartleby,the Scrivener:A Atory og Wall-street" 1853年発表)
- 作者:ハーマン・メルヴィル 訳:柴田元幸
- ハーマン・メルヴィル - Wikipedia
- あらすじ。19世紀アメリカウォール街。語り手である法律家は業務拡大にともない書写人として男をひとり雇い入れる。彼の名はバートルビー、落ち着いた真面目なおとこ。
- コピーなどなかった時代、法律文書を迅速正確に書き写す職業・書写人。素晴らしい仕事ぶりに満足していた語り手だが、ある日バートルビーに別の用事を頼むと彼は答えた「そうしない方が好ましいのですが」。唖然とする語り手。
- 以後バートルビーは雇用主である語り手の業務命令やお願いをすべて拒否する(「そうしない方が好ましいのですが」)。振り回される語り手はついに事務所の引越しを決意する…
感想。エクセレント!!
ハーマン”白鯨”メルヴィル。とりあえず名前くらいは聞いたことがあったのだがはじめて読んだ。
しかも150年以上前の小説である。
150年!おいおい幕末じゃないかペリーが浦賀に来た年だよ*1
さて本作あらすじはとても単純。雇った男が梃子でも動かない。それだけ。
それだけなのだが、
語り手の大げさだが愛嬌のある独白やら動機やら風変わりな描写やらで
どういうわけか俺をぐいぐい引き込み読み進めさせられてしまう
ミステリアスな男バートルビーがどうなるのか、また彼の秘密は。
そのままラストまで来て思わず唸る。いや恐れ入った。
小説って面白いなぁ
*1:「開国してくださいよお〜開国してくださいよお〜」