2ちゃん用語 世代間言語 標準語

記憶があやふやだが、どこかのblogエントリーで「”バイト敬語”は現代の吉原言葉である」といった趣旨の論を読んだことがある。

コンビニやファミレスでよく聞くあれがバイト敬語
吉原言葉というのはつまり特殊な標準語のこと
遊郭吉原の遊女は各地から集まっていたそうで、ほっとくとお国言葉丸出しになってしまう。
売春は接客業なので方言を使われてはたまらない。
というわけで独自の標準語が何となく出来上がりスタンダードになったもの、それが吉原言葉らしい。
店-客という主従関係
その通信規約(プロトコル)=「礼」のなかでも、言葉遣いはボディランゲージと並んで重要である。
同時に地域の隠蔽と統一、店のにんげんであり均一なサービス提供の保証
それが吉原言葉・バイト敬語の特徴のようだ
いわゆる標準語は「地方格差の標準化」機能のみで「主従関係の明確化」を含まない。


さて、2ちゃん用語は凶悪な遊び心によって培われた標準語の一種であり、業界用語・スラングに近い

これはこの掲示板を利用する者たちのペルソナとしても役立っている。つまり、「2ちゃんねる用語」というツールがあることで、スムーズに日常と非日常を行き来しそれらの境目をはっきりと認識できるのである。

ではこの特殊言語を考えてみましょう。
大きく分けるとふたつの側面からいくつかの機能が発生しています。
ふたつの側面はお互い不可分なくらい影響しあっています。

  1. 歴史に基づいた自然発生不文律
  2. テキスト中心インターネット匿名掲示

機能

  • 距離・地方差異無効化機能
  • 匿名ゆえの権威・身分・カーストの無効化。
  • また俺女、おねえ言葉、ネカマネナベが担ってきた性別の無効化
  • 非日常へのパスポートとしての隠語業界用語ひいては仲間意識
  • もっとも興味深い特徴「年齢の無効化」「世代間の越境」


2chはねずみーまうすもびっくりの夢の国であり
永遠の童貞ピーターパンも裸足で逃げ出すネバーランドなわけだが
祭の常態化した狂気の中
距離や性別や関係性だけでなく
時間も失効する。
「タメ口」に代表される権威の無視ではない
たぶん強烈な仲間意識「身内認識」の延長として
厨房消防が壮年妙齢が還暦喜寿米寿が
対等に
付き合える言葉
言語の論理のみが支配する魔空空間で行われる
会話対話雑談
それは
なんと豊かなことか