メカビ感想その34:p144−147

  • ライトノベル作家 古橋秀之:p144−147
  • 要約・抜粋
    1. デビューまで。小中学生、海外ファンタジー→80、90年代ジャンプマンが黄金期→90年前半格ゲーブーム→大学卒業しゲームメーカー→仕事がしんどいので小説を書く→応募しデビュー→単行本出版、即会社辞めて専業
    2. ラノベ作家仕事の流れ。編集者から声が掛かる→こちらからいくつか企画案を送る→よさそうな案をたたき台にして相談→練った企画が出版社企画会議に掛かる→goサインが出たら〆切と大体の枚数を決めて執筆開始
    3. ラノベの場合執筆中は編集側ほぼノータッチ、時々様子見の電話くらい。書き直しがあることもある。著者校正して作業完了
    4. 商品としての「書籍」については中心は編集者。原稿以外については参考意見を聞かれる程度
    5. イラストレーターとの関係はケースバイケース。人選も編集者推薦もあれば作者推薦もある。
    6. ライトノベルの場合は「絵が主役」という面もあるので、本文との整合性をあまり気にせずに絵柄を優先したり、絵にあわせて本文を書き換える場合もあります。」
    7. 書籍の作製には本のイメージが大きく変わるため、装丁デザイナーが深く関わる
    8. 古橋流創作メソッド。基本的に要素の「足し算」
    9. 企画物の「よいアイデア」とは「一見意外だけど、言われてみるとしっくり来る組み合わせ」(実は親和性が高いアイデアの組み合わせ)だと考える
    10. オリジナル物だとミスマッチな組み合わせが多い。
    11. 普段から見た作品を要素に「分解」するようにしている。
    12. ラノベ作家という「職業」について。一生の仕事として他人にお勧めできない。趣味の延長。
    13. 長持ちの秘訣。健康と人間関係を良好に保つ。ネタを仕入れる。沢山考える。
    14. 「私の知る限り、長年第一線で仕事をされている方は、きっちりと自分を律していらっしゃる方が多いです。」
    15. 自分の「売り」を確立できるか否かが分岐点。
    16. 目指す皆さんへ→専業作家はつぶしがきかない。とりあえず就職したほうがいい。「まず働け」

おそろしく話が平易、びっくりするほど常識人。
古橋"ブラックロッド"秀之氏入場。
優しく穏やかな口調で、夢見がちな小僧どもを37殺しな金言の数々。わたくし感想を挟む余地が御座いません。お手上げ。
作家なんてものに憧れる人種は、自分を律することが出来ず会社に居場所のない社会不適応者が多いように感じる。
しかし、俺の知る限り、こと小説家に関しては大半がサラリーマン経験がある。勤め人経験のない作家は実に少ない。少女漫画家とはえらい違いである。
そもそも小説家はジャンルにもよるがデビュー年齢が高め。近年若年化が進んでいるような気配だが、出版社の戦略の匂いがしないでもない。
生き残りたくば「売り」を作れ。染みる。
書きたいものなど書けやしない。書いたって出版してくれない(タダじゃねぇんだぜ?)。これを書けといわれてホイホイ書くことが出来るのが作家。
尊敬する赤川次郎はなんといったかな「小説家ならページ数操作出来て当然。私たちは同じアイデアで短編も長編も書ける」
たとえは悪いがAV男優が射精時間を制御できるようなものだろう。想像できますか?
池波正太郎直木賞受賞後、己の文章力の無さ(!)を克服するため5年間相撲の取り組みをライブで筆写した。
お前達が椅子取りゲーム・少ないパイの取り合いを闘わなければならないのはこんな化け物どもだ。
ちなみに現在東証一部上場企業は約1700社。筆一本で食っていける小説家が千人越えているとはとても思えない。一流企業の社長を目指すほうが確率的には楽なんだよ。
自分が何を目指しているか認識したか。
さあ。
少年よ大志を抱け。青年よ荒野を目指せ。



4757725515超妹大戦シスマゲドン (1)
古橋秀之 内藤隆
エンターブレイン 2005-12-24

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