メカビ感想その13:p52−p57
- オタクとマスコミ――取材の最前線から:p52−p57
- 要約・抜粋
- お三方顔合わせ、挨拶。「普通に考えたら、あの会場では、あの質問しか出ないよね。」
- 編集部「メカと美少女の略です」一同(爆笑)
- (新聞社内で漫画アニメは)「やる気を見せる記者がいないと、ほうっておかれる分野」
- 新聞社であることを伝えると取材先に変な顔、時には警戒される。
- 数年前からアニメに追い風。「産業なったのがでかいですよね、アニメが。輸出産業として。」
- 「今だってオタクを叩く記事はなくはないだろう」→「社の方針というより、記者個人のスタイル。新聞社って言うのは、どっちかって言うと個人営業ですからね。」
- 取り上げるのは作品。オタクの人に取材したことは無い。「オタク」という言葉も、ポジネガ両面の意味が備わっていて使い難い。
- 産業化。特にゲームは経済部の理解が早かった。
- みなさんが異動になればオタク記事はなくなるか→減るとは思うが、隠れオタはいるものだし、楽観視。
- オタクとマスコミは共存できるか→「僕が捕まったらどうなるかって怖いんですよ」一同(笑)
おとなぜー。
全国紙のオタク記者による座談会。全体的にまったり大人な空気の流れる文章でした。
緩やかな同志意識。でも会社の代表ともとれる状態なのだから自重もしているでしょう当然。むしろ自重しないような人間は社会人として如何なものかと思うしね。
ご自分たちの仕事の内容説明や経緯は丁寧に答え、他の人はなるほどとうなずく感じ。声高な主張は無い。
感心したところは、やはり想像の中でしかなかった「大新聞社におけるオタク文化の扱い」。この模様が当事者から語られていること。これらの言を信用しなければ始まらない。
で、どうやら新聞社としては、特に敵視はしていないらしい。文化部あたりでは。
ただ、敵視する記者個人が存在するようだ。「個人営業」という言葉に唸った。
俺にはなんとなーく、社の意向や規制に迎合せざるを得ない、みたいなイメージがあった。間違いのようだ。
ふむ。
多くの職業と同じく、新聞記者という仕事もまた、どのようなものかを俺は知らない。
舞台にしている漫画も「美味しんぼ」「こちら大阪社会部」くらいしか思い出せない。
えーと。
現在県警に喧嘩を売っているファイティングな地方紙を退職なされた元新聞記者のおじいさんから、昔教えを受けたことがある。
氏曰く「最初の二年は何を書いても突っ返された。同僚皆でぶちきれて毎日屋上で酒飲んで上の悪口叫んで管を巻いていた」。
どういう商売だ。「突っ返された」のはつまり劉海王いうところの「単におまえの技量が低いだけのこと」とのこと。
「低いッ…この私が!」
他の新聞社や現在はどうだか知らないが、つまり記事の書き方すら教えてくれなくて自得しろという業界らしい。
まだまだ巨大な新聞というメディア。内部に巣食うオタク。獅子身中の蟲。彼等は間違いなく益虫だ。きっと。
ご自愛を。あなた方にはもっと活躍していただきたいです。
ジャーナリズムの情理ー新聞人・青木彰の遺産 青木塾 天野勝文 山本泰夫 産経新聞出版 2005-12-15 by G-Tools |