へうげもの11巻感想:極乙草庵茶城

へうげもの(11) (モーニング KC)

へうげもの(11) (モーニング KC)

あらすじ。朝鮮より生還。その途中、何故か英子とまぐわう織部正。妻おせんにそれを告白し彼女は去る。関白秀次処刑。何故か細川と仲直り。じわじわと存在感を増す徳川。怒る加藤。酒に飲まれる福島。織部正は「乙」をつかみ陶器や酒で財産を成す算段がつく。慶長伏見大地震。一夜でことごとく灰燼に帰す。何故か夫婦仲修復す。秀吉から大仕事を任される織部一党。


感想。育ってるみんな育ってるよ〜


笑いを中心に据え劣等感であった乙を受けとめきった織部
融通の利かない一本気だった細川は、織部と共に悪巧みを計るほどのえげつない大名に進化
弱冠25にして織部に数寄の根っこをわかっておると評さしめた佐竹義宣*1
また独特の美意識を持つ数寄ムジナ・小堀作介(遠州)もついに頭角をあらわす
常に織部と行動を共にした盟友であり弟子上田重安はセンスがあるんだか無いんだかでも確かに自分の中になにかが出来つつある気配


秀吉も晩年。悲喜こもごもの戦国絵巻も中盤か、すでに幾名かは退場済み。
新顔は動きだし古参も己の道を歩む。
修羅場に一笑をひっさげた織部の野望はまだまだ続く。

*1:200年後、日本美術史に異彩を放つ秋田蘭画が花開いたのは偶然か