レヴィ=ストロース氏死去

文明論的紀行文「悲しき熱帯」や、実存主義から構造主義へ戦後思想の転換を決定づけた「野生の思考」など数多くの著書を発表し、世界的名声を確立した。


 西欧が「未開」と見下す社会にも、文明社会同様の構造があり、人間は社会に則した論理に基づいて行動していると主張し、西欧の人間主義を批判した。

言うまでもないが俺は氏の著作を一冊も読んでおらず文化人類学構造主義もせいぜいWikipediaの読み囓りレベルである。
有名な人が亡くなった程度の感慨である。
しかしその読み囓った中で、文明-未開という従来の素朴な発想への批判は、まぬけな俺を唸らせてくれた。
21世紀が明ける。きっと今年はその夜明け前のもっとも暗い一瞬なのだろう。
ご冥福をお祈りいたします。