スラムドッグ$ミリオネア感想:これがインドの真実です*1

監督:ダニー・ボイル


ジャマール:デーヴ・パテール
ラティカ:フリーダ・ピント
サリーム:マドゥル・ミッタル
警部:イルファーン・カーン

あらすじ。青年が尋問されている。「なぜ答えを知っていた?」。クイズの答えのことだ。どんな手段を使った? 青年は語りだす。彼の人生を。


感想。エンタァァァーーテイメントッッ!ブラボー!


インドという国の社会問題・世相と娯楽性を、ひとりの男の半生に巧みに織り交ぜた傑作。
ここまで見事に融合させた作品は「新幹線大爆破」くらいしか思い出せない。


インドはずるい。傑作「その名にちなんで」もそうだったが、*1この国は強烈な力を持っていて、その風景、文化、空気は観るものの目を釘付けにする。
とくに本作のように頭から尻尾までインドずくめだと、どのシーンをとっても高純度のインドインド。
別に行きたい、とか住みたい、とかではないのだ。のどかでもないし人情に厚いわけでもない。むしろ、劣悪、という言葉がよく似合う。
ただ、滾っている


作品名のスラムドッグとは、インドのスラム街の糞ガキを意味し、ミリオネアはクイズ番組を差す。
母。紛争。雨。少女。ゴミの山。大人。列車。タージマハル。盲目の物乞い。再会。兄。拳銃。ビル。コールセンター。豪邸。クイズ番組。失敗。出演。解答。250万ルピー。1000万ルピー。
そして2000万ルピー。車。問題。電話。通話。「いえ、知りません」。ファイナル・アンサー。


スタッフロールが本編。最高。異論は認めない。

*1:ちなみに本作の警部はその名にちなんでの父さんである。友よよくぞ気がついた