「ロスジェネ」からは、何が「失われた」のか

それは「祭り」だ!

俺たちからは祭りが失われた
世代の一体感が失われた
団塊の世代が戦後の復興と発展、具体的に言うと「豊かな(食)生活」を手に入れようぜ!とフィジカルに燃え上がり
新人類たちが伝統に捉われない「豊かな文化(学問)」を作ろうぜ!と知的に発奮し
バブル世代が幼少期における高度経済成長の終焉と青年期に訪れたバブル経済期の絶頂のなかで「とことん遊ぼうぜ!」と盛り上がった

『リアル』は中高生で知らない人はいないというほど認知されているブログとSNSの中間のようなサービスであり、

『リアル』のヘビーユーザーの女子高生が「『mixi』って何ですか?」

嫁さんからこの記事を教えてもらってほうと思った。
ゆとり世代にあたる中高生がムーブメントを作り出していることに対する感慨である。
一昔前のケータイ小説もそうだったが、
インターネットにおいて、世代間の棲み分けが進行していると言えるかも知れない。
個人的印象では「確実にそう感じる」。

「人情」と「論理」

インターネットはwordの世界であり、言語は論理である。
そこには物理的暴力はなく大声や身振り手振り、眼力・気配熱気といった
五感を駆使したコミュニケーションの重要な要素がごっそりない、またはないに等しい。
性別年齢職業多くの情報がその保障を失う世界。
その「ある意味自由な」インターネットに於いてさえ、世代間の棲み分けが自然発生するということ。
軸はふたつだ。
ひとつはわかりやすい年齢・世代の棲み分け。
もうひとつは、任意の個人が「論理」と「人情」のどちらにウェイトをおいているか
おそろしく単純に表にしてみた

  • 「人情」…リア充といっていいかもしれない。高度な人間関係に快楽を感じる者
  • 「論理」…人間関係よりも、論理的整合性に快楽を感じる者。

くだんの「リアル」というサービスは低・人情のモバゲーに位置することになるだろうか。
それよりも ここで気をつけなければならないのは、
「人情」「論理」がそのままコミュニケーション能力の高低では「ない」ということだ。
酒席に例えよう。
酒量はひとそれぞれで、一滴も飲めない下戸から底なしのザルワクうわばみまで幅広い
しかしそれと酒席が好き、は完全なイコールではない。
飲めなくても雰囲気が好きな方もおれば、いくらでも飲めるが騒がしいのは嫌いな方もいらっしゃる。
これと同じで、あくまで「快楽を感じる」か否かである。
コミュ力の低い人間好きもいるし、コミュ力の高い人間嫌いも少なくない。
この場合だと、人間関係も論理的整合性も同じくらい好きなひともいるだろう

ロスジェネ?なにそれおいしいの?

噂によるとロストジェネレーション世代とは朝日新聞が命名した現在30代〜40代くらいの世代のこと
就職氷河期世代」の方が一般的かもしれない。
バブル世代とゆとり世代に挟まれた層と認識されている。

上記コピペにあるように、「勝手に名づけるな」と不快感を隠さない一方
これといった行動もせず恋愛を含めた人間関係にも比較的淡白であると言われている。*1
「文句は一人前だが手は動かさない」特徴がある。
文句を言ってついでに手を動かしたのが全共闘世代なら
文句を言うのも止めてしまったのがしらけ世代
氷河期世代は「怒り」を持つ。しかしリアル現実に対してフィジカルに(非合法にw)訴えることはしない。
ニューアカ的新人類世代のようにオブラートに包んで発信することもない
もちろんバブル世代のように楽観的な馬鹿騒ぎにエネルギーを発散させることもなかった。
先達達の行為を冷ややかにみて育った俺たちは
ひとりひとりがそれぞれ強い怒りを育みながら
現実に一致団結することはなかった。
集まらなかった。
ひとつには、自分探しと揶揄される俺たちは
集まってしまえば先立つ上位の組織*2に食い物にされることを感じ取ったからであり
決定的なのは
おのおのが怒りを表明・発信しなかったので
「みんな」が同じ思いであることを「知らなかった」のだ

匿名掲示板という「場」

インターネットが登場したとき俺たちは成人前後だった
だから「勉強」した。
ルールよりも、テキストオンリー・無いに等しい認証制度というシステム的制限が
言語の論理がすべて、という場を作り上げた。
何年もかかって俺たちはじょじょに共通見解を組み立てていった
去るものもいたし邪魔をするものもいた
それは実に地道な作業であったと思う。
明らかになってきたのは、右だ左だと程度の差はあれど
俺の怒りは「俺たち」の怒りであるらしい推測だ
「それはおかしい」「これはひどい」「許せぬ」
誰がいうともなく「祭り」と名づけられたこの現象が
合法的な「叫び」
合法的な「内乱」が
上の世代がかつて共有した
下の世代があらたに構築しつつある
俺たちが「失った」いや持ち得なかった
「世代の一体感」なのだ

「勝手にロストジェネレーションとかつけてるんじゃねーよ」

俺たちは失ってなどいない
見下しやがって
俺たちは手を動かさない
だからどうした?
言わせてもらう
この社会はベストではない
絶対にだ
理想?理屈? 俺たちゃ社会人だぞんなこたぁわかってんだよ!


「調整」してやる、こんな現実「調整」してやる!

だから「祭り」だ!

なぜ手を動かさないのだろうか
「甘えている」「無気力」…
バカジャネーノ?
権力がないからに決まってるじゃん
「まだ」、な…
賢いのである。
おとながその気になれば「潰せる」ことくらい、おとなの俺たちはわかっている
その手に掴むまでは、頭を下げろ、こびへつらえ、笑みを絶やすな
有利は勝利ではない
裏で手を組め 表に出すな

始めは処女の如く後は脱兎の如し

この社会の寝首をかく
出来ないかどうかはそのうちわかる


潜伏せよ氷河期世代
祭りを絶やすな

*1:リセット男子なんて言葉もありましたね

*2:カルト・運動家・セクトプロ市民などなど