野球号全感想:「第七官界彷徨」&「第七官界で、命がけで遊ぶ」
今回、尾崎翠女史の小説「第七官界彷徨」は冒頭のみ収録なので
これについてはここでは感想を書かない。
別途近日中に、ちくま日本文学04尾崎翠収録の全編を読んで感想を書く予定。*1
第七官界彷徨という小説はやっかいで、
後日詳述すると思うがなんというか歯車がかみ合っていない嫌な小説である。
そして、この作品に対する畏敬の念と諦観にも似たため息と、ところがどっこい殺る気マンマンのファイティングポーズ。
謎の哲学使い*2川上未映子の登場である。
この手に負えない小説に手に負えない作家が手におえない感想を書いて
いったい俺にどうしろと。
彼女がこのタイトルに出会ったころ 俺はどこかでこんなことを聞きかじった
「目の前に小石があって、その小石が存在するという「不思議」に「驚く」。これが哲学のマインド」
ファック。ことばのいみはよくわからんがとにかく凄い何かだ。
俺は感性が鈍いのでおっしゃることはぴんとこないが
俺の言葉に直すとその小石が存在していることは「恐ろしい」
玄。
川上さんは20才前後のころ第七官界彷徨の文字列を目にして「わあ」と小さく声をあげたそうだ。
あら。
それは彼女の歌。俺がとやかくいう筋合いのものではない。敬すべきである。
俺はというと数ヶ月前彼女の文章からこの小説のタイトルを知り、
「ちっ、なんて題名付けやがる」と眉をひそめ舌打ちした。
この感覚は例えば尾崎放哉の「すばらしい乳房だ蚊が居る」に目が潰れたとき*3と同系列
近寄っては行けない逢魔が刻の魔物の類
それを「命がけで遊ぶ」と申したか
ならば正気にては大業ならず
神武の超鋼よ 我を立たせたまえ
牙無き人の明日のために
無限の英霊よ 我を砕きたまえ
それがとわへの礎なら