野球号全感想:カニとカニンコ

  • 作者:小野正嗣
  • 「浦ばなし1」とのこと。連載か。
  • あらすじ。猿の親子


感想。凡庸だなぁ…


非常に申し訳ないが一度しか読んでない。
退屈で読んでられなくて。苦痛でした。
言葉の選択連結飛躍にセンスも恐怖も引きずり込まれる感覚等何も感じない。
ただ言葉が並び置かれているだけ。
不可思議な世界を作り出すのはむろん成功しているが
名前がカタカナであったり一文が長かったり
「狙ってる」感まるだしで困った
いや狙うこと自体はいいのです。文芸誌だし。
俺がこうして言い訳に終始しているのは
たとえば高度な抽象画を見た者が「意味のわからない駄作」と
誤読するよな恐怖におびえているからです。


前も少し書いたような気がするが文章力というものを
落語に置き換えて考えてみるとわかりやすいかなと思う
落語家が掛ける古典的な「噺」は細かい点はともかくあらすじ・展開は固定。
例の有名な逸話を思い出せば
昔話「桃太郎」をしゃべって
ちっともおもしろくない噺家には実力がなく
普通の桃太郎であるにもかかわらず何故か最後までおもしろく聞けてしまうのが
話「芸」のちから
文章力はこれに相当する
狙ってようとあざとかろうと
ちからがあれば読み通せるのだ。


俺に読み手としての能力が足りないだけかもしれない。
時間をおいて再読してみたいと思う。


最後付近、手のない母をほったらかしで柿ピーを食べる子にぶち切れるキーボーには少しはっとした。
輝きを見いだせたのはそこだけでした。
お互い精進。