先輩

どうしてその話になったか思い出せないが
嫁さんと話していていつの間にか俺の大学の先輩の話になった
なつかしい。
変わった人だった。俺はその先輩が大好きだったけどいつか乗り越えなきゃと一生懸命頑張った。
頑張る方向性も見当が付かなくて、そこから始めた
俺の手持ちのカードはいまでもとても少ない。
カードの種類や量で勝負しても、勝ち目は無い。
だからカードの操り方出し方を研究した。
それから俺独自の性質を知る努力をして長所をより生かし短所を長所に変える工夫に腐心した。
俺は虎眼先生から認められて免許皆伝が欲しかったわけではない。
先生をこの手で打ち殺したかった。
ニッチ、隙間産業、オンリーワン。合気。魔法。
えっほえっほ

師匠と刺し違える度胸もねエ奴がなにハネッ返ってんだよ

もちろん先輩は卒業し特に衝突もなく俺は彼を大好きなままなのですが
いろいろ邪悪な技術*1を教えてもらいました
大半は俺の属性や性質から流用できないものでしたが、大いにためになりました。
なにより、詐欺にひっかからないためには詐欺師になればいいわけで
詭弁や似非哲学のいたずらを身につけることによって
俺にそれが仕掛けられるのがわかるようになって大変便利。
俺が下に対して意図的に封じていた伝説やエピソードをたくさんしゃべって疲れました。楽しかった。
とんでもないひとだったなぁ。こわいひとだった。こまったことにかっこいいひとだった。
大学を出てずいぶんになるが、あんなひとはまだ一度も見たことが無い。*2
昔話の夜。

*1:脅し。すかし。駆け引き。その他裏芸「な?こうやるんだ」

*2:単に賢いひとや出来るひとはたくさん見た。根本的に違う生物のような気がする。多分表の社会にはいないのだろう