「ゆれる」
さる高名なキ印と日本以外全部沈没を観に上映2時間前に行ってみると立ち見とのこと。ふざけろあの映画にそんな価値は無い。
帰るのもしゃくなので前から微妙に気になっていたゆれるをこの機会に見ることにする。キ印、わがままに付き合ってくれてありがとう。
早川稔:香川照之
早川猛:オダギリジョー
早川勇:伊武雅刀
早川修:蟹江敬三
川端智恵子:真木よう子
丸尾明人検察官:木村祐一
裁判官:田口トモロヲ
- シナリオについて
- 事件が起こり二転三転し虚実ない交ぜの何が真実かわからない状態に。凝った構成でなおかつ話の筋はちゃんとわかる。たいしたものです。好印象。次はもっとダイナミックで力技な脚本が見てみたいです。
- ラスト間際のどんでんがえし(吊橋の手首)は納得
- 役者の演技について
- 達者なところを集めたなと思う。
- 最大の功労者はおにいちゃんの香川照之。ブラボー。
- このひと、映画嫌われ松子で松子の弟、つまり甥っ子のお父さんだそうで、またも度肝を抜かれる。真木よう子はサマータイムマシンブルースの眼鏡っ子か。いやはや。
- 前半はオダギリジョーの見せ場。色気のある男役で好演。中盤以降の香川照之のパートになっても絡みを充分こなした。
- 香川照之の壊れ方は圧巻。静かに喋ったり陽気にしゃべったり、それだけで怖い。目が死んでいて瞬きをしない。見ているこちらが呼吸を忘れて息苦しいほど。一二度大声出して暴れるのだが、むしろその場面の方が安心する。絶品。
- 伊武雅刀のガソリンスタンド店長姿寂しいなあ。終盤年老いた場面、たぶんあれ新聞紙を物干し竿に干しているんだと思う。泣きそう。
- 監督の演出映像表現について
- 鯛のお頭、手錠の手首あたりは説明しすぎ。無くても分かるし無い方がいい。そういうシーンがいくつか鼻についた。
- でも細やかでいい映像がたくさんあった。
- 映写機と記録映像はもっと深い伏線かと思ったが的外れでした。しかしうーんもったいない。
- まとめ
- 香川照之の演技は見る価値大。
- 都会田舎。家を継ぐこと家を出ること。兄、弟。嘘真実。夢想現実。強さ弱さ。
- なかなかの良作