メカビ感想その28:p122−125

  • 士郎正宗が選んだ男・ロマのフ比嘉:p122−125
  • 要約・抜粋
    1. 「TANK S.W.A.T.01」30分を4ヶ月でアフレコに漕ぎ着ける→前作「URDA」は5分で3ヶ月(発言中「完成までに一年半」とある)
    2. 経済産業省資料によると三十分のテレビシリーズの動画の作業工程に関わるスタッフは130-190人とのこと。また、40分劇場用だと240-300人とのこと。
    3. 「(細部を)作った方が逃げるより得なんです。(略)作ったからこそ見えてくるものがある。(略)<とりあえず予告>というのはやめたほうがいいと思ってます」
    4. 「TANK S.W.A.T.01」スタッフは計8人。スタッフは各地におり、作業の打ち合わせ・素材チェック等の大半はスカイプにて行われた。
    5. 「もちろん、対面のほうがはるかに効率はいいんです。(略)地方の人に越してきてもらうというのではコストがかかりすぎますから、それに代わる手段としてはありうると思っています」
    6. 作製形態はアシスタントを擁し分業化した漫画プロダクション的。
    7. 氏は「個人制作アニメの本質を漫画の進化系だと捉えている」とのこと。
    8. 個人製作アニメーションの登場。
    9. 本シリーズ、次回からは彼等作製者の希望と夢モノ作りにかける心意気を聞いていきたいとのこと。

俺は映像以前に絵が描けないので、遠い世界の物語ではある。近さで言うと「同じ絵が二度と描けない」と豪語する蛙男商会さんの方に共感を抱く。
まあいい。
従来と違うタイプの職人が出現し始めた。個人ベースの映像作製稼業。桁違いの小規模。かつての映画監督といえば土方の親分、淀川長治氏をして「酒が飲めない?それじゃ駄目。監督はスタッフ皆でよしじゃあ飲みに行くかが仕事」と言わしめた職業。アニメ監督もおそらく近いだろう。
それが一気に漫画プロダクション規模で可能になったという事実。採算的にもペイするラインが激しく低下するにちがいない。となればそれまで敬遠されていたような野心的でチャレンジブルな企画が陽の目を見得るということか。
さて、今回焦点の当たった比嘉氏の持論は詳しくない俺なんか驚いてしまうものが多い。映像関係はとりあえず予告編作ってプロモーションして資金集めて、みたいなイメージがある。実際言及するからにはそういう流れは選択肢としてあるのだろう。そこをあえて「やめよう」と。
細かいところまで逃げずに作れ、糧になるから。
ううむ。他の世界でも通用しそうな発言です。
…あ、だめ。歯切れワリィ。やっぱり映像「作製」側は感情移入も推測も出来ないや。とりあえずドミニオン見ます。はい。
レンタルしてますか?



B000E1RJHC警察戦車隊 TANK S.W.A.T.01
士郎正宗 ロマのフ比嘉 雪野五月
角川エンタテインメント 2006-03-24

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