メカビ感想その2:p1−p8

  • DAYS OF COMIC MARKET/デイズ・オブ・コミックマーケット:p1−p8
    • p8までフルカラー。
    • p1.左上に日付「051229-30」。コミックマーケット69の模様。
    • 同左上日付の横に前口上。要約「ところでこれを見てくれ」。
    • 同左上日付の下に「メカビオープニングフォトルポルタージュ」”メカビ”は大きいフォントかつロゴ。
    • ページ左上文字情報以外は余白なしの一枚写真。
    • 構図は、鋭角的なオブジェと、右下から左上にかけて階段らしき場所を埋めて並ぶ群衆の後姿。
    • 皆厚着。時間は朝と思われる。場所は東京国際展示場屋外のどこか。
    • 男女比測定不能。帽子着用者極稀。光の加減か黒系の出で立ち多し。

コミックマーケットは通称コミケ。年2回で年末開催を特に冬コミという。去年の冬コミの風景。
「フォトルポルタージュ」。なんだか高級な響きだわ。Wikipediaによると「現地報告的な色彩(記録性)が強い作品」らしいです。へー。前口上はいささか苦笑。偏見を持たずに見てくれよ!てことだろうが、確かに開幕ダッシュまでは「混乱は無い」けどさ。「整然と列につ」き「愛するコンテンツを求めて移動し、交流する」のはやっぱり「一様な変な集団」ジャマイカ
まあいい。
朝、隙間無く静かに佇むひとびとの後姿。率直に言って、美しい。実情はどうあれ、フレームの外はどうであれ、この写真この瞬間はやっぱり美しい。
上手だなあ。さすがだねりゅうせきだねながれいしだね。当然半年前から準備する(他目的の流用かも知れんが)。雑誌のプロフェッショナルはいろいろ考えてます。
興味をしかもプラスの興味を持ってもらうこと。第一ページ目。失敗は許されない。本雑誌のコンセプトの一つなのだろう。
彼等/彼女等は異常者ではない。聖者、殉教者、あるいは市場に行く仔牛。

    • p2,p3.見開きで一枚写真。東京国際展示場屋内。
    • 下半分は群集。統制は無く皆それぞれ各々の目的を持って行動中と思われる。印象的な残像が表現された写真技法。
    • 多くの人の横顔が見て取れる。
    • 上方に大きく太くやや右上がりにぶち抜きで「DAYS OF COMIC MARKET」
    • p3.左下に説明文。要約「行った事のないひとと空気を共有したいから公開します」

一転して動きのある写真。ただしひとびとの顔はほぼ無表情。すでに売買が開始されている模様。ひと、いっぱいだなぁ。
音も熱も臭いも感じない綺麗な写真。悪いわけではないけど「空気を共有」は達成率低め。共有すると裸足で逃げ出すとの計算か。正しい。
俺の周辺の参加者は「冬の陣」(無論夏コミは夏の陣)と呼び購入資金を弾丸・残弾と呼びつまり戦場と位置付けている。俺も共感する。
覚悟の必要な過酷な環境。時に移動すら困難な泥地。少なくともある期間のある場所は。
戦場を疾駆する兵士の姿が先駆的決意性覚悟性であるならば、彼等こそは剥き出しの現存在。じつぞーん。
或いはただ餌を求める頽落の獣。

    • p4,p5.30枚ほどの点景が並ぶ
    • p5.左上に「DAYS OF COMIC MARKET」
    • コスプレイヤー多数。企業ブース、サークルスペース。座り込んで読む人々。

このイベントを多角的に捉える試みであろう。女性の被写率が高く、コスプレの元ネタも多岐。
ただしコスプレの完成度が概ね高く(かわいい、きれい、上手い)、この辺はちょっとミスリードの手法と考えて宜しいか。
「なんか楽しそう」を演出出来ていますね。好印象です。嘘は一枚も無いだろうしな。隠蔽はあっても。これを編集というのですね。

    • p6−p8.続いて点景。
    • 3ページに渡って中央を帯状にぶち抜き長文。要約「気持ちは分かるが、楽しいところだもったいない、コミケに行こう!」
    • p6、p7.上方ぶち抜きで一枚写真。上から見下ろした館内出入り口付近のフロア。人ごみはそこそこ。
    • その写真上方に重ねて小さく点景数枚。屋外各所での行列風景等。
    • 同じくp6、p7.下方に場内各所の点景10枚ほど。対象は数人以上。
    • p8.続きの文章は下方。左に執筆者とそのURL、スペシャルサンクス。
    • p8.上方に写真、大きく夕暮れのビッグサイト
    • ゲート?が丁度門の様に聳え、手前を向き移動するひとびと。帰る風景と思われる。
    • p8.中段に場内各所の点景10枚ほど。左端にマジックで手書きの印象的な「本日は完売しました。 ありがとうございました。」

8ページに渡り、朝の行列から始まって夕暮れと手書き文字でしめる構成。見事。興味をそそられる読者も少なくはあるまい。
…この雑誌をわざわざ手に取った人間の何割が未参加かは、知らないがな。
p8文中の「頒布物」が泣かせる。値段も「定価」じゃないんだよ。知らない人は調べてご覧。
p3の文中に2日間、合計35万人とある。どえらい人数だなおい改めて。それでも夏に比べて一日短く小規模なんだよなあ。
日本中から来るんだ。海外からも来るんだ。臨時列車がピストン輸送。それでも電車は寿司詰めなんだ。
もし想像できないならG1の帰り電車をイメージせよ。ちなみに先日のダービー1日入場者数は10万人とのこと。あ、今日は安田記念だね。まあいい。
去年の冬コミはろくでもない騒動は聞いていないし多分平和だったのだろう。運がいい。
売れるところは段ボール単位で売れる。売れないコピー誌は10部も売れない。
書きたての卒論だって売ってるぜ。
「だからさあ、コミケに行ってみよう!」