ドリアン海王

理由は分からないが読んだ(紙で)。
すごくびっくりして狼狽したのだが、何故だか分からない。
いままでこのひとは題材選びの天才、古今のエピソードから現代(無論当時)の、なんというか、闇のようなものを浮かび上がらせる解釈を加えて蘇らせる離れ業の持ち主だと思っていた。文体で言うと完成度高く描写は見事だが味や癖の無い、適度な文章。筋は単純でこころ動かされる要素は見当たらない。
なのにどういうわけか切なくて泣きそうになる。
へえ大変なものです。
この複雑な感慨は俺のものなのでいじらずそっとしておこう。