須弥山ホテル

言いたかったことは余さず書かれてしまったので書くことが残っていません。
俺も劇中歌を書きます。


「天国生まれ」



幻はとっとと消えてなくなれ/夢ならばこのままずっとさめるな
叶わない恋もある、あきらめてしまえ/叶わない夢は無い、あきらめるな
ドンキホーテ サンチョパンサ ロシナンテ &俺
ふるさと遠く、天国生まれ

エンディングロールに甲本ヒロトを観たときは心底びっくりした。
聴いた瞬間心に沁みる作詞作曲者が、長年好きな音楽家であるというのは、不思議な体験である。
作劇術で言うと、あの場面の「歌」は本当に重要で、劇の要といっていい。あそこで凡百な歌を持ってきたと想像すると、後の幾つかのシーンがまったく説得力を持たなくなるからだ。たった二、三シーンの演奏で劇中人物たちの心変わり・決心を観客に納得させなければならないのだからとんでもない重圧だ。
香取慎吾が歌うことになったとき、俺は何を歌うだろうと期待し不安になった。
安牌は「世界に一つだけの花」。ただこれだと感動半減であったろうと思う。
ひどい歌を入れて失笑を買うよりはいいが。何しろ安牌、俺たちはそれなりに納得したろう。
聞いたことも無い曲だった。反射的に計量計算すると

  • 香取のオリジナルではないレベルが高すぎる
  • 三谷幸喜か彼のスタッフの作でもない素人の作品ではない。

との結果。
後だしじゃんけんといわれても反論は出来ないけどさ。
でも、だから不思議なわけです。
ところで香取はちゃんと聞ける歌を歌ってて感心した。歌うまいな。あれだけの地位にいてなお精進を怠っていないのだから恐れ入る。
「趣味で歌っとけ」
そうともどの世界でもプロで技術が高いのはただの前提。プラスアルファが必要なのです。