資生堂ギャラリーについて
女
先日銀座資生堂の存在を知った。
その数日後、当日行けない嫁さんがひとりで資生堂ビルを見に行ったらしい。「前に行ったリクルートかなんかのギャラリーあんなん子どもですよ、資生堂ギャラリーやばいわ。」とメールが来た。嫁さんは何がどうヤバイのか説明しなかったし俺も聞かなかった。言えば離れる。俺が当日見れば分かる。
刃
土曜。ビル一階にひっそりと細い下り階段があった。俺は茶室を連想した。作為を感じ、すり潰されたりせんぞと唱えながら地下に降りていく。
受付を過ぎて空間に入った俺はうううと唸った。椅子があった。壁に作品がかかっている。ライティングも見事、しかしそんなものはどうでもよろしい。
四角い空間が視野に収まって再度俺は意を感じた。この空間は計算と意思で構成されている。圧倒された。建築を知らない俺は何がどうすごいのか全く分からない。
こころがぎゅっと頑なになる。俺は室内に進み、心地よさを感じていることに気付いた。まじファックである。ムカツく気持ちと、この場にいる快感で、俺は頬をふくらませた。