第2回将棋電王戦 第4局

人間2敗で迎えた第4戦目。定石チックな流れでテンポ良く相矢倉、先にプエラが仕掛けた。

  • 第2回将棋電王戦 第4局 塚田泰明九段 vs puella α PV ‐ ニコニコ動画:Q

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塚田九段の驚異の粘り詳細については省く。
本来俺ごときが書くことでは無いがあえて書かせてもらうと、将棋はプエラの勝ちである。塚田九段は負けていた。これはご本人が一番おわかりであった。その時点で投了もあっただろう。むしろプロ棋士として見た場合、投了が自然であるかもしれない。
19時前後光明が見えたとき俺と嫁さんは戦慄した。塚田九段は手を変え品を変え道を模索し実行に移した。これはどれほどつらく苦しい行為であったことだろう。
棋譜は永遠に残る。それはもうひどい棋譜である。ぶっちゃけ氏は今後有形無形の批判を受け続けると思う。いかに外野が擁護しようともおそらくそれは実在する。
塚田九段は勝負をとった。COMの行動を逆手に取り引き分けに持ち込んだ。持ち込んだなどというより引きずり込んだというべきか。恥も外聞もない。プライドも捨てた。ただただ負けたくない、負けないために泥をかぶった。この将棋は生半可では指せない。もはや生き様、人生が変わりかねない選択を行動に移したと思う。
俺はその鬼気迫る覚悟と苦悩に胸が熱くなった。言葉を失い感動した。これもある種の強さであると納得した。俺と嫁さんは興奮しながらいつまでも氏を称え続けた。
コンピュータは感動を生まない。賭けるもの失うものがないからである。


第四局はVSコンピュータならではの戦いであり、コンピュータの性能の高さがもはやプロ棋士と同等かそれ以上であることを、同時ににんげんの凄まじさ塚田九段という男の全身全霊を見せつけた、良くも悪くも歴史に残る一局であったと思う。


塚田九段ありがとうございました。



対局本編は以下から視聴可能です。