雑記 てっそ

ご飯の後嫁さんがやって来てどうして教えてくれなかったのと言った。俺はなにがと答えた。嫁さんは手をばたばたさせ鉄鼠の檻に禅が出てくるとはと言った。

分冊文庫版 鉄鼠の檻(一) (講談社文庫)

分冊文庫版 鉄鼠の檻(一) (講談社文庫)

鉄鼠の檻は著者京極夏彦、妖怪と禅宗と殺人事件が出てくる娯楽小説である。
俺は嫁さんと10数年一緒に居るが鉄鼠の檻を話題の中心にしたことは無い。これははっきりしていて、なぜなら意図的に避けてきたからである。
俺は運命論者なので自然に本と出会うのを待った。今日嫁さんがこの小説に出会うタイミングが来たことを知った。
嫁さんは興奮しながら読みかけのこの小説がいかにエキサイティングで面白いかを語った。時に小説の展開に憤慨し時にキャラクターに愛着を示し時に作内のうんちくを披露したまに彼女なりの疑問を口にした。
俺は小説を既読でありまた禅宗の知識を少し持っているので、水を差さないようにそっけなく応対した。嫁さんが今口にしていることは読み進めれば大半書かれていることであり、書かれていないことを俺が解説するにはまだ早い。

拙僧が殺めたのだ

俺は再読したくなった。