7/6特撮博物館 レポート

終わりの始まり

金曜日7/6東京都現在美術館へ向かった。小雨だった。

特撮の歴史について

本企画展示の二つの柱のひとつが「特撮」だ。
特撮作品をほぼ知らない俺でも、スタッフや作家達の血のにじむような努力と工夫には胸を打たれた。
庵野秀明監督は特に、過去の特撮作品・映像技術にフォーカスした関連資料を充実させており、その変遷史と多様性がよくわかるようになっている。
具体的には昭和の特撮に関する作品紹介、キャラクターおよびメカ解説、撮影用小道具類。近年のCGに関するものは一切無い。
ゴジラなどの「怪獣」、ウルトラマンなどの「宇宙人」、轟天号などの「メカ(兵器含む)」、あとミニチュアの「街・建造物」。
また作品を作り上げたあるいは影響を与えた作家・スタッフ達にまで焦点を当てておりまさに特撮博物館というにふさわしい。
難点は俺のようにあまりその道に詳しくないと価値が半減すること。
でも…大丈夫。

巨神兵

もうひとつ大きな柱「巨神兵」。彼がいるから大丈夫。
誰もが知っている「巨神兵」が東京を蹂躙する様を描いた10分弱の短編実写映画「巨神兵東京に現わる」およびその「メイキング映像」。これがすごい。


おさらいしておくと、巨神兵とは劇場版「風の谷のナウシカ」に登場するキャラクターである。

なぎ払え!

腐ってやがる。早すぎたんだ。

に代表される悪夢のような人造の大怪物。
口から発射したプロトンビーム一閃で炎の壁が吹き上がったあのシーンは、あまりの恐ろしさと、あろうことか「美しさ」でもってアニメ史に燦然と輝く。


この巨神兵を、先人が連綿と培った特撮技術でもって実写化したのが本作品である。
もう凄まじいの一言に尽きる。見る者を圧倒する迫力と衝撃。
しかし俺が心底胸を打ち振るわせたのは、そのメイキング映像であった。
巨神兵の繰演に。キノコ雲に。溶けるビルディング、倒壊するタワーに。吹き上がる炎と空を舞う何かの予感に。
たった数秒のために費やされる試行錯誤と工夫の連続、職人達の地道な仕事、膨大な後片付け(!?)
俺は庵野秀明と樋口監督とスタッフ陣から特撮映画への深い深い愛情を感じた。畏敬の念と感謝の気持ち、それを俺たちの世代に引き継ごうという気概と使命感を感じた。
俺は興奮した。かつて誰かが言った。「美しいってことはひとを打つって事です、そうでしょう?」
巨大な巨大な巨大なちからが都市を破壊すること。ただ、破壊すること。
その風景を作り出したひとびとのこと。



会場限定カプセルトイ巨神兵ヴィネット

入館・入場

以下、博物館情報など。


当日開場前はTwitterによると行列が出来ていたそうである。
11:00ごろ美術館に到着し入館。美術館前に喫煙スペースあり。
この時間だともう行列はなく受付で事前招待会通知を提示しパンフレットをもらい入場。

展示スペース概要

会場は1FとB2Fの2フロアにまたがり、フロアは小部屋に分割されている。
小部屋毎にテーマが設定されておりそれに関する資料が展示されている。
順路通りに小部屋を移動する方式。順路のみ逆走不可。基本的に次の部屋に移動したら前の部屋には戻るのは禁止となっている。
なので、如何に混雑していても見たいものを見終えるまで次の部屋に向かってはいけません。
ひとまずこんなところで。
ではよい特撮を。