土田世紀さん死去
先日のニュースになるが、ここに書くのは気が乗らなくて放置していた。
書いてしまうと決定してしまう。そう思っているらしい。
子どもの頃「俺節」を読んだ。主人公が歌を歌うとき、紙面に大きく歌詞が並ぶ手法に度肝を抜かれた。歌詞のもつ言葉のちからと、コマの向こうで進み続ける話の展開。両者の合わさった構成。独特の絵柄に、異様なストーリー。
作者の独創なのか先行手法があるのかは知らないが、子供心に迫るものがあった。
- 作者: 土田世紀
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2010/10/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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もちろんこの作品はお話であり、熱意がまかり通ることは簡単では無いだろう。漫画らしい、きれいな起承転結をもったフィクションであるだろう。
俺は人並みに漫画が好きである。その漫画がどのように制作されているか、まったく無知であった。というよりも、考えたことが無かった。漫画家がひとりで一から十までマネージメントしているものだと素朴に前提していた。
作品を世に問うということ、一つの作品に多くの人々や組織が関わるということ。多くの人々にそれぞれ思惑があり、正しいとか間違っているとか、限られた時間のなかで渦巻いていること。
- 作者: 土田世紀
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/07/01
- メディア: 文庫
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でも漫画家土田世紀は俺に刻まれたいた。
早過ぎる死である。俺はスマホの画面にえっと声を上げ絶句した。
いい漫画をありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。