古本と付箋紙

だいぶ前古本屋で再読用にもう一冊ヘヴンを買った
先日家に帰ったら嫁さんがそのヘヴンを読み返したらしい
「紙が挟まっていたよ」何やらうきうき嬉しそうに見せてくれた
それは正方形の紙片だった。灰色地で落ち着いた模様が入っている。ポストイットサイズで、付箋紙かメモ用紙であろう。
サインペンで書かれた細い字が並んでいる。少し崩した達筆だ。表裏三枚に渡っており、内容は作中の百瀬の台詞の要約らしい
嫁さんが嬉しそうな理由は一目で知れた。小説に感銘を受け大切に丁寧に抜き出したことが伝わってきた
俺は大事なら売らなきゃよかったのにと至極つまらないことを口にした
嫁さんはこの小説で救われたひとがいるんだねきっとと言った