映画「劇場版 マクロスF 虚空歌姫」感想:「ちっ、アタリかいな」

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監督:河森正治


アルト:中村悠一
シェリル:遠藤綾 / 歌 - May'n
ランカ:中島愛

感想。抜かった、こっちが「当たり」だ!2009年、破と肩を並べる堂々たる傑作。
去年観なかったことを後悔。気を取り直そう、新春一発目がいい映画でよかった


あらすじ。シェリル、シェリル。内容はTV版とは完璧な別物ですいい意味で。




マクロスはもとより歌劇である。恋と歌と戦争と。
三角関係の緊張、咲き乱れるミサイル轟く主砲、
腕を伸ばすシャーマンの呪歌に乗って押された軍は立ち直り兵は鬼神となって突撃する。
この快楽は理屈ではない。
河森アニメは悩まない。なんたって「銀河播種計画」だ。

だから使徒は攻めてくるのかな

考えたこともねぇ
うまい料理を喰らうが如く…だ

オープニングユニバーサル・バニーが流れ現れた歯車ステージはドロッセルマイヤーさんか悪魔城ドラキュラか。セクシーが売りの歌姫シェリルが予想外なもこもこ清純うさぎ衣裳。奇妙なクリーチャーが輪を描いて踊り白いシェリルと黒いシェリルが噛んだり吸ったり操ったり痛いのが好きだったりえらいこっちゃ。
期待された物を期待以上に仕上げてみせる。なんという困難。
んんん監督お見事 そう俺はこれが観たかったんだよ


この感覚は四年ぶり。凄いぞ!映画館を出て定食食ったらもうほとんど内容が思い出せない、ただ傑作を観た手応えだけがある。こいつぁ本物だ!


俺は7をあまり評価していない。ガンダムにおけるGみたいなもので、結構好きなのだがマクロスである必要が特になかったろうと思う。その道はバカアニメ(褒め言葉)・アクエリオンできっちり極めた。それだけでも驚嘆に値する。
陳腐な陳腐な「原点回帰」なるキャッチコピーを正々堂々本来の意味でしっかり使い初代マクロスを21世紀に相応しく乗り越えたマクロスF。受け継いだのは君は誰とキスをすると板野サーカスのみという潔さ。バルキリーダイダロスアタックなどサービスカットに過ぎない。何より前作に対する呪縛がない。
そのTV版をさらに突き詰めそぎ落とし再構成し歌と映像のカタルシスを追求するSF魂
イツワリ?とんでもない!
歌で 銀河を 救えるのだ 拳を握りしめ俺はそれを信じられた
寿福延長 死のうとしていた人間に死ぬのをやめようと思わせる あらゆる技芸魔術はそのためにあると俺は言わなかったか?