「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」感想

原作、映画ストーリー(プロット製作)、コスチューム・クリーチャーデザイン、製作総指揮:尾田栄一郎
監督:境宗久
主題歌:Mr.Children「fanfare」


モンキー・D・ルフィ田中真弓
金獅子のシキ:竹中直人

感想。肉!肉!肉!なんというボリューム、熱量。高カロリー高脂肪高タンパク質映像!
胸焼け注意。正直おっさんの俺は胃もたれしました。おなかいっぱい。


これでもかと押し寄せる怪物たち。泣き出したくなるようなシキの異常な強さ。
重みと高速感のあるアクションシーン、目を奪われる風景や服装
もうホントにストロング。なにこれこわい。


尾田先生自ら制作に加わっているせいか、ワンピースという漫画の根底に流れる”イズム”のようなものがしっかり描かれていた気がする。
すなわち、「文句は勝ってから言え」
劇中ルフィ達の行動は常にシンプルだ。
大事な仲間を奪われた。仲間だから力尽くで取り返す。
シキの計画は目障りだ。村を理不尽に支配するのが気に食わない。だから、ぶっとばす。
彼らに言葉による非難など一切無い。理念に対する憤りなどない。
海賊は力を振るう稼業であり自分たちは海賊でありまた相手も海賊だからだ。
シキは海賊である。旗を押っ立てる海賊である。
ラストで明らかになるナミの伝言メッセージ
それを聞いて面白そうに「いいメッセージだ」と言い放つ金獅子。迷惑千万な海賊なれど天晴れ。


やりたければ ねじ伏せろ
ゼロ年代(笑)を駆け抜けたワンピースの無言のメッセージ
口先だけの評論のようなものを歯牙にもかけない実力至上主義
魅力だって立派な”力”だ


ギャグのテンポがおおむね悪いのが惜しまれる。またラストもひっぱりすぎに感じる。
第一、オリジナルのワンピース世界であれば、ルフィがシキに勝つことなど万に一つもあり得ない。
いくつか不満はあるものの大盛りというか全部盛り的なお得感。
この過剰なサービス精神はいっそ常軌を逸している。
これでいいのだ。子供達、大きくなれよ。