眞子様萌えとわびさびもえについて

当の宮内庁は「皇室に対する誹謗や侮辱に関しては、相手に注意をすることもあるのですが……」(宮内庁報道室)と困惑気味。実際に眞子様を扱ったイラストや動画を確認したというが「何とも言えませんね……特に中傷しているわけでもないようですし……」(同)と語るのが精一杯の様子で、

( ^ω^)

とうとう捕捉されたのだな。*1
まぁそれはともかく。

ネットを中心としたサブカルチャーと皇室との親和性は決して低くなく、

親和性が低いどころの話ではない。
そもそも天皇は諸芸の王*2
日本中央部を制覇した武芸の一族であり、まつりごとを司る呪術魔術の元締め。
神と交渉し護国の法である歌舞*3を統べる。
またその歴史において
民間や外部からのシステムや考え方、たとえば仏教システム*4やわび・さびを排除することなく付き合ってきた
彼らが「わび・さび・もえ」と並び称される*5萌えをどう取り扱っていくか実に興味深い


さて。
わびさびとともに、萌えはつまり「翻訳」機能である。
わびさびは、「普通」のひとびとが忌み嫌いさげすんだ「不完全」「古い」「壊れている・欠けている」「貧しい」といった欠如的事象を素晴らしいと再評価し、社会の中に取り込み直す技術体系を指す。
萌えは、その当初の意味はさておいて、現在は
同じように忌み嫌われてきた「暴力(兵器・軍隊・武術等)」であるとか「学問的で高度な専門知識等」といった過剰的事象を取り込み直す機能を果たしている*6
これは実のところ、歌舞伎がになっていた機能ではないかと推測される。
日本はいま、かぶくかわりに萌えていると思う。
こんな異常な発想はどの国でも生まれない。
日本人は「価値観・視点の逆転や軸ずらし」*7に慣れている国民なのだ*8
だって、日本に生まれてみると物心ついたときから
天皇家が「実在・存続」して当たり前のように「機能」しているんだもの。
よく本音と建前といいますが、これなどもその現れの一種かと思う。
天皇システムは、そういった「日本的な」としか言いようのない独特の物事のとらえ方考え方の体現であって、
「王家ではない」*9と捉えた方が筋が通るような気がします。


宮内庁の方々にわかってもらえるかしら
眞子様萌えに悪意はないのです。決してバカになどしていない。
ただし、敬意もない。
怒らないように。敬意など有っても遠ざけるのがオチなのだから。
近いニュアンスで言うと一緒に「遊んで」いるのです。
あたたかいめで見守って下さい
 
 

*1:そういえば「いまさら」みたいな意見をちらほら読んだが、誤読ではないかな。つまりいまさら「宮内庁が、このムーブメントを認識した」、ってことでは? ただし、ある方の話によると日本の省庁のなかでもっともネットセキュリティに秀でているのは宮内庁とのこと。

*2:河原ものの王であり被差別民の王。

*3:またこれはいきるちからを蘇らせるひかりでもある

*4:釈迦の教え、ではなく出家・寄進といった社会制度のこと

*5:誰が並び称しているんだw

*6:萌えが生まれた土壌であるところの漫画を考えるとすぐわかるはず

*7:社会に出ると「逆に言うと…」というひとに腐るほど出会う

*8:欧米、というよりキリスト教圏は十字軍的価値観の押しつけと邁進に慣れている

*9:「結果的に王家」といえばいいかな