たいようのマキバオー 3:土佐の帝王 黒潮ダービー

たいようのマキバオー 3 (プレイボーイコミックス)

たいようのマキバオー 3 (プレイボーイコミックス)

1巻2巻の大迫力はないものの
見せ場十分の3巻!
マキバオーの涙に触発され土佐の帝王ゴールデンバット

悔し涙も流せねえよ

舞台は埼玉・浦和競馬場さきたま杯
あいもかわらず見事な取材、浦和競馬場の描き方は完璧である。
住宅地のど真ん中、殺風景な駐車場、おやじたちの長いす。うむ。
熱いレース展開にこころも踊る。
後半は黒潮ダービーのマキバオー。桂浜謎の特訓を経て

もう誰もお前を止めやしないし止めさせん
行けぇマキバオー

残り100m、大逃げのマキバオーにライバル高知三歳馬たちが襲いかかる。


なんといっても物語の構成に拍手。
コミック収録を念頭に置いた山谷押し引きの配置に漫画家の職人技を見た。
マキバオー一辺倒かと思われた高知競馬面子の
準主役級バットにまさか光を当てるとは恐れ入った。
またその説得力。気合と根性がいささかフィクションめいてはいるが
それでもなるほど勝ち負けに納得がいく結果。
競走馬において血は絶対である。
これは人間社会の毛並みやうまれなどという「軽い意味」ではない。
この壁は、本当に越えられないといっても過言ではない。
嘘の入り込む余地の無い世界に
信ずるに足る虚構を忍ばせる手腕。
続きが楽しみだ