いちご白書をもう一度

言ってみれば校庭の隅に公園があって
みなの遊び場になっていたと思いねえ
そこには校内でみかけるものの話したことのなかったやつや
どうやら同じ学校らしいがずいぶん毛並の違うやつらが
うろうろ出入りしてるわけ
普通の生徒は存在も知らない
この公園は
生徒有志が学校に掛け合いおだて透かし煙に巻くかたちで
金は出すけど口は出せないように一定期間借りている
一定期間
この公園は取り壊される一角
だから学校も承認した
これはあらかじめの決定で覆ることはない


公園は生徒の活気に満ちた 生徒手帳を携帯すること以外 義務はない 悪のりすれば仲間が勇める 友達を作る、ひとり呟く、はなしを聞く、呼びかける


やがて代わりの体育館が完成し
扉は全校生徒に開かれた
もっとひろくて
屋根がついてて
でも学校が管理する
先生がお前達自由にしていいぞという
みな苦笑する


でも公園からすこしづつひとが減る 体育館に行ったのだ
残したい残りたいと願ったみんなも
いってしまった
往復もその内しなくなり 体育館で過ごすようになるだろう