雑記 鍾乳洞

鍾乳洞に行く
三宝山山頂近く。
折しも気温30度越えの炎天下。
駐車場から鍾乳洞まではひなびた温泉街の如く、急斜面の左右に売店が並ぶ。
暑さにひーひー言いながら、ほどなくこれまた急な石の階段出現。
汗だく足が棒の俺迷わず併設のエスカレーターを利用。
ヘタレでサーセン


登り切ったところが龍河洞入り口。
切り立った山肌にぽっかりと、穴。
驚いたことに、穴から冷気が流れてくる。
思わず「クーラー完備?」とひるんだ程だ。
みるみる汗が引いていく。
夏につきTシャツ一枚だったのをまさか後悔するとは思わなかった


入場料千円也。
説明に因ると道のりは約1km、30分ほどで出口とのこと。
いざ突入。


ひんやり。
寒い。湿度高し。
天然の冷房、吐く息が白くて愕然とする。
馬鹿な、真夏日だぞ。
洞内気温は一年中常時18℃前後とのこと。
夏は涼しく冬は暖か。


観光用に足場と手すりが有るので安全。
当然外光が差さないので暗い。
水滴の音。
小川のような地下水の流れ。
ところどころ配置された照明が頼り。
生物を思わせる岩肌を眺めると、濡れて光っている。
鍾乳石というのかしら。
ガラス質な感じの岩で触るとつるつるぬるぬる。


狭い。
横幅が狭く天井も低い。
中腰で注意しながら進む。
不意に開けた場所にでる。
天井…というより岩の裂目、が高い。


狭い暗い寒い静か。
奇観である。
凄く俺の精神に迫り来る体験でした。
この感覚をひとに伝える努力を、俺は放棄する。
自然に包まれた絶望感は語る術がない。

  • 洞内の鍾乳石それから石筍は万年単位で形作られるとか
  • 数箇所、(完全防寒防水の)職員さんが待機しており、見所をガイドしてくれます。お疲れさまです。
  • たまにコウモリの気配
  • 滑りやすいので足元注意
  • 岩にぶつからないように慎重に歩くこと
  • 1kmと聞いていたが、中腰が多いせいかどの位歩いたか分からなくなる
  • で、そろそろ出口だろうと思っていた時に見る「中間地点」の看板といったらもう
  • 洞内通路は狭いことが多いので、追い越す/追い越される際は譲り合いましょう
  • 人為を越えたキテレツなオブジェが延々続く


この鍾乳洞は快適なせいか、2000年ほど前いわゆる弥生時代にひとが住み着いていた形跡があるそうだ。
幾つか存在する出入口入って直ぐあたりに10人ほどが生活していたと考えられている、とのこと。
この鍾乳洞が地元の研究者に発見されたのが昭和6年
弥生人の土器や食べ物、ごみ捨て場等が発見されているらしい。


そのなかのひとつ、ある土器はなんと岩と同化していた。
「神の壷」と呼ばれている。

俺も無論見たのだが、どうやら放置された壷を石灰石が被ったものらしい。
うわぁ。
衝撃にくらくらしながら出口に向かうと、立て看板に気付いた。
見れば看板の側にやはり土器の壷。
第二の「神の壷」か?と思って看板を読むと大文字で「現在70年」、これだけ。
あっ、とのけぞった。
70数年前、ここを発見した連中が、神の壷の再現実験をやらかしているのだ。
アホだ!高知県人は激烈なアホウだ!(超誉め言葉)
大興奮しました
嬉しいことやってくれるじゃないの


70年経って、やっと壷の底あたりが盛り上がってる程度でした。
気が長いなおい。


出口。
暑い。
滞在時間30分強ほど。
mjd?
体感時間だと一時間以上なんだけどなあー


出口は入り口より高いところに位置する。
そういえば洞内で「しんどい坂」を上ったわいと思いつつ、暑い最中くねくね下りの山道を歩く。


道中にある珍鳥センター*2と博物館を丹念に見て回り帰途に着く。


山頂にて潰れた遊園地のお城そばで(ガードレールから身を乗り出して)町を見下ろす。
一望。
川や団地や工場が見える。あコメリも見える。


胸に込み上げるものがある。
毎日毎日見上げていたあの山頂に今俺はいるのだ。
あのラブホテルにしか見えない城の真下に。

*1:頼む…このHPもっと見やすく作り直してくれ!

*2:オナガドリいたよオナガドリ。これも天然記念物