風雲児たち幕末編11巻

4845831775風雲児たち 幕末編 11 (11) (SPコミックス)
みなもと太郎
リイド社 2007-07-30
asin:4845831775
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土佐→江戸。
坂本竜馬武市半平太再び江戸へ。
この巻でついに半平太の暗黒面がじわりと見え始める。
岡田以蔵とのやりとり。
社会・世相に対する竜馬とのやりとり。
ただ当時、半平太の考えが身分や社会運動への一般的な意識であったろうな、とおもう。


場面変わって江戸滞在中の村田蔵六大村益次郎)。
故郷での砲台設置を命令された藩費留学生に、見事な状況分析を踏まえて助言*1を与える。
そして彼の人生のターニングポイントが訪れる。
川路聖謨の要請により、西洋の兵学書・軍事文献の翻訳に携わることに。
当時幕府には、学者・翻訳者、優れた人材が(幕府内から冷遇されつつ)充分にいた。
ところが諸科学に比べて軍学ははるかに特殊な才能が必要なそうである。
明治陸軍の祖となる蔵六の第一歩である。


ところは大阪(当時「大坂」)。
緒方洪庵適塾
トラブルメーカー福沢諭吉の再入門。
緒方洪庵大塩平八郎*2の因縁。


長崎。
勝海舟と中島三郎助は操船技術習得におおわらわ。
時代は動く。
薩摩藩江戸幕府天璋院篤姫
世界に目を向ければ第二次アヘン戦争であるところのアロー戦争勃発。


再び江戸。
操船訓練が一応終了した勝海舟中島三郎助らは江戸に帰還。家族と再会。
両氏に江戸にて海軍訓練のブレーンとなる指令が伝えられる。
ここ際、村田蔵六桂小五郎らと邂逅。
道化者桂小五郎は師匠である松下村塾の吉田松蔭にその様子を書簡にして送る。


書簡を受け取った吉田松陰
長州、萩。松下村塾

「君たちは何のために学問するのか」
「日本のため 人々のため…」
「具体的に言いなさい どういう人々ですか」
「……」

「それは学問をしたくても出来ない人のためにするのですっ」

松下村塾は講義ではなく「ゼミ形式」をとっていた。
生徒にテーマを与え調べさせ、発表時には松蔭も一生徒となって討論する。


薩摩。
薩摩藩島津斉彬、参勤交代により江戸→薩摩入り。


相変わらず濃密なドラマ・人間模様・社会情勢に圧倒されて言葉が出ない。
連綿。
たくさんのひとたちにもっと読んでもらいたいと思います。

*1:立派な設計書を提出し実際には工事の振りをするという奇策

*2:大塩平八郎の乱のひとですね