高知県警捜査費問題

前知識。
高知県という国があって、県警がありました。
高知新聞の特集を見る限り、問題の端緒は2003年。捜査費を不正請求して裏金を作っているらしいことが発覚した。
県警の組織ぐるみの裏金作りはここ数年数箇所で発覚、愛媛や北海道でも騒がれた記憶がある。
報道の詳細は以下。

この問題はなんと四年近く経った今でも争われている。県警は「おおまかにいって不正はなかった」と一貫して主張し、対する高知新聞橋本大二郎県知事は「うそつけ、真実を報告しろや」と攻撃、足を止めて打ち合っている。四年間。
報道機関も政治家もよくやってて実に誇らしい。


というわけで今回の「ニュースの現場で考えること」さんのエントリーである。

県が進めていた県警捜査費執行実態に関する調査結果の公表をめぐり、鈴木基久県警本部長が「これを公表すれば知事は危うくなる」「取り扱いを慎重にした方がいい」と橋本大二郎知事に述べた発言が波紋を広げている。

鈴木本部長が橋本知事に圧力めいた発言をしたのは十三日の夕方。同知事はそのわずか三十分後、調査を担当した会計管理局と総務部、さらに秘書課や県政情報課の幹部ら十数人を緊急招集した。知事は淡々とした口調で鈴木本部長の発言内容を伝えたという。

目を疑う事態だ。犯罪を取り締まる組織の幹部がなんという発言。
それらをすかっと公表する知事もやる気まんまんである。
すげぇ喧嘩だ。
高知県警は株を下げた。
高知県知事と県庁は株を上げた。
報道し続ける高知新聞も株を上げた。
当然、そもそも不正はあったのかが重要な争点のひとつで、これがはっきりしない以上県警が100%悪いとは言い切れない。しかし監査や開示請求に非協力的な態度をとり続けていては、疑われても仕方がない。


正義が行われるとしたら、それは地味で困難で茨の道。誰からも理解も援助もされない隠れた獣道。
全国紙でこの問題全く取り上げられていないぞ。なんだこの国は。


確かに理想論ははっきりいって有害だ。どこの組織にもそれなりの事情があるだろう。ぶっちゃけ裏金のひとつやふたつどこでもやっていると言っても驚かない。民間企業だって法に触れた活動は五万としているだろう。奇麗事だけで組織が回らないこともわかる。
しかしそれが不正の免罪符になるわけではない。
罪には罰を。ただそれだけだ。