できるかなクアトロ読了 猛獣詩人西原理恵子
- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2007/04/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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抜粋目次
できるかなは三本とも傑作。
インドのヒジュラ。表面的にはおかまなのだが文化的にみて明らかにちょっと違う階級。このへんも詳しくないので控えるが、実になまなましい社会の内の存在者でありますことよ。
ところで俺は変化が大嫌い。保守も保守、人間関係も環境も変化する際俺が感じるストレスが嫌いで嫌いでしょうがない。故に知らないひとが嫌いで人脈広げるという考え方が嫌いです。このblogにも連絡先等載せておりません。ハイホー。ひとが嫌いなわけではなくて、新しいひとを知る/こちらを理解してもらう手続きのストレスがもう嫌。ストレス無く仲が深まる分には無問題。ただ、そんなにんげんは極々少ないだけで。
なにが言いたいかというと作中のインドびっくり描写を読んで怖気づいているという話です。
- インド名物集団朝グソ
- 見渡す限りのうんこ海岸
- うんこ砂浜に魚を撒いて干し魚にする(当然食卓にのぼる)
あれ俺うんこが嫌いなひとみたい。人生の半分汲み取り式で生活してきた俺様にそのような恐れはないが、なんというか、インドは住環境として受け付けなさそう。というより日本のそれなりの都市でないともう生きて行けない気がする。俺は弱いな。
ヒジュラの祭りは必見。読んで泣け。
いろいろ
本当に
いろいろあったんだろな。
高須編。
フィリピン。ラスト1ページ綺麗。
ポルトガル。「一生分の石けんを買ってあげればいいの?」「石けん会社を買えばいいの?」
北京。岩井志麻子と編集長中瀬。「私の熱い春巻はどこー」
ゴビ砂漠で恐竜化石発掘はそのまんま。
昼間の気温灼熱。発掘作業。夜の気温極寒。料理。西瓜「今のあなたに足りないものは、スイカ」。大交流宴会。狂ったように飲む。翌朝元気。
なにこの恐竜両教授(特に中国李教授)のバイタリティ。人間? 恐竜と、永遠に近い時間に挑みかかるというのはこういうことなのだなあ。
人生一年生は総合的にしょっぱい(力みすぎて空回り)ので割愛。
人脈話。小説家'S。チョコ。夏休み取得。編集者話。GPT。ベトナムホテルマッサージ。
柳美里。「あんたとあんたのファンはいりません」GJ。「もっと上手に踊らしてや」
青木雄二。「唯物ろーん」「わし絵ぇ上手やし」
パチクロ。良作。美術予備校というものを初めて知った。ならば哲学予備校も作ったれや。非売品だけど。
それはともかく彫刻を布で包んで縄で縛ったものの絵を描く授業はどぎもを抜かれた。偉いもんだ。ほとんど禅問答の領域である。
そういえばまったく関係ないが、先日ヴォネガットの作品は小説界の抽象画(前衛に非ズ)なのだと唐突に悟った。ピカソを例に取るまでも無く、高度な抽象は写実を極めた後にのみ可能なのだ。
切ない漫画は実に切なくて切ないです。
この作家の20年は大半目を通しているがどこにいくのだろうどこにいくのだろう。尽きぬ野性と繊細な感性。一名猛獣詩人。
明日はきっと何かある
明日はどっちだ
*1:とはいえ、この価格設定が可能なのは掃ける部数の目処が立っているからだろうなぁ