ニコニコ動画雑感

思い付きをメモ。


blogの台頭で、忌憚の無い感想を発信・受信することが可能になりました。*1
ただ、小説、アニメ、音楽、映画などの作品に対して視聴者が感想を述べる場合圧倒的に多いのは総合的な印象批評だと思われます。「点数評価」や「一言批評」*2
詳細なレビューや評論に近い一貫性のある分析となりますとぐっと数が減るでしょう。第一にそれらは難しい。


ニコニコの凄いところは、感想や批評が「自動的」に「ピンポイント」になるところです。何分何秒にどうツッコミがはいるかはっきり目に見える。
また、感想を入れる際の心理的障壁が低い。blogで言及したり2chに書き込んだりよりもはるかに手軽。他人がどうツッコんでいるかも即座にわかる。
従来のあらゆる表現について、これほど大規模で直接でリアルタイムな批評はなかった。大袈裟にいうと人類史上初であります。


これは作者にとって実に刺激になるだろうと思われます。改良なり改変なりをする際の参考になるし、なによりモチベーションがあがる。これ大事。
映像職人は急に増えたわけではないと思う。「面白そうなので始めてみた」よりも「出来るけどやらなかった」ひとが表に出てきた。それから既存の職人が「感想がダイレクトなので仕事のペースが跳ね上がった」のではないかと推測します。


この方法論がどのジャンルにも通用するとは思わないしむしろ短い映像について位しか出来ないことのように感じる。でも大変革新的なことなのではないかな。視聴者の意見がここまで反映されるようになるとすでに作品が「作者のもの」と言えるのかどうか。


とりあえずニコニコ動画内でショートフィルムのコンテストくらいならすぐにでも主催できそうな気がする。クリエイターにとってはスリリングな体験になるのじゃなかろうか。潰れる才能も出るだろうけど伸びる才能もまた出るだろう。これまでと同じように。

*1:読み手にとっても作り手にとっても歓迎すべき状況だと信じております。

*2:「いい」「わるい」「傑作」「駄作」みたいな