ハチクロ10巻 感想

ストーリー漫画としてはあまり面白くないのですよこの作品


ハチミツとクローバー 10 (クイーンズコミックス)

ハチミツとクローバー 10 (クイーンズコミックス)


イラストは上手だと思う。カラーとか童話風ページとか。
最大の不満は、才能の描き方。日本橋ヨヲコを思い出させる薄っぺらさだ。登場人物の天才を表現するのに世界で認められただの権威に見初められただの人気が出ただの作中のひとびとに賞賛させて、読者の俺は何も納得できない。はぐの得体の知れない能力だけは感じ取ったが、ほかのひとの美術の才能や仕事の能力やコミュニケーション能力に説得力がありません。ドラマを支える土台がぐらついています。短編なら雰囲気でごまかせますが長編ストーリー漫画を書くには力量不足だと思っています。


そんなことはいいんです。


俺は初めてタイトルを見たときハチミツとクローバーがでてくるんだな、と思いました。
クローバーは出てきました。ところが9巻終わってハチミツが出てきません。
ああハチミツは大事に取って置くんだ、ハチミツが出てくる時この物語はなんらかのクライマックスを迎えるのだ。そう思いました。
ハチミツがラストに出てきたとき、俺は大いに納得しました。その場面でハチミツとクローバーをそう使うなら俺は文句なし。
俺はあまり楽しめない作品でしたが、あのサンドイッチがあるから嫌いではありません。
次回作に期待します。