初恋について

感想。地味。いい映画でした。


画面。暗くてひりひりしている。陽が差さない。たまに眩しい日差しが描写されるとびっくりする。
役者の台詞が少なくていい感じ。主人公はほぼ黙ったまま、表情や仕草の演技は達者なので好印象。その他の役者もいい演技。大方見れる芝居だった。珍しい。
小道具はとにかく当時の再現にこだわり時代考証しっかりしている模様。
時代背景の1960年代後半とは学生闘争のピークである。有名な東大占拠が68年から69年だそうだからまっただなかだ。当時の麻雀関連の書籍を紐解くと新宿辺り大通りは真昼間から学生と機動隊が投石やら角材やらで衝突していたとのこと。
重く暗く行き詰った感覚。衝動あきらめ疲労がじくじくと染み出すようなフィルム。見事。
映画前半のぎすぎす加減や初恋のひととのやりとり、バイク屋に入り浸るところ、中盤の三億円事件の計画説明と実行。なかなかいい。
しかし肝は後半の実行後だ。動機。皆のその後。
嗚呼。
雨「なにも変わらないのかよ!」
いや変わる。大切なものほど変わって行く。






メモ書き音読と被さる音楽は邪魔だった。元ちとせの変な有気音は歌唱法なのか。嫌な歌い方だ。


え、主人公の名前。あ、実の兄妹。突撃洋服店?有名らしい。
良作。


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