メカビ感想その41:p172−184
困った。
何に困っているかというと世界観と用語の扱いにだ。
感想以前のところである。あまりにも「そのまんま」に過ぎる。
女性を独占する支配階級。格差の基準は容姿の美醜。
んー…
用語の漢字表記は、斉同逍遥遊胡蝶陰陽天鈞芒乎稷下渾沌木鶏白昏无人(伯昏無人)など。
カタカナ読みはエクリチュールバロールタリエシンブラフマンアートマンカナンインスマウスルサンチメン(ルサンチマン)シニファン(シニフィアン)アニマなど。
クマー…(釣り針を見つめつつ)
俺まっしぐらなタームで満ちており勝手に脳内スイッチが入るためお話を楽しむよりも言葉酔いした。
ワレイマダモッケイタリエズ。
用語と火星社会の説明はうるさいが、とにかく物語の始まりを感じさせる。救い、裏切り、復讐。
気になるのはこの後の展開である。青春の殺人者は生まれた。しかし本田氏はすでに「二次元一元論」をベストとは捉えていない。
仮面の男は貴種であろう。王の資格を持つ者である。フェイスフラッシュもあるかもしれない。胡蝶はなんらかの形(恐らく直接的な意味で)「復活」するだろう。ルサンチメンはブラフマンを打倒・排除はせず、つまり新たなブラフマン=支配階級として君臨することを選択せず、共存に近い社会を実現するだろう。
と、いったような辺りに落ち着いてもらっては困る。神話は予定調和なプロパガンダ寓話ではない。作者不在のダイナミックな不条理の集積である。
あ・あ・あ面倒くせぇー、解釈するのも面倒くせぇー
約束の土地へどうぞ導いて。コスモス宇宙を駆け抜けて祈りをいま君のもとへ。
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