2ちゃんねるについて

上記エントリーを読んで2chについて考えたので書きます。
まず上記を纏めてみましょう。

  1. オマエモナー」はとうの昔に廃れてしまったが、その精神性は今なお2ちゃんねるに受け継がれている
  2. オマエモナー」の2005年現在における最新型はそれはニュース速報板の「それなんてエロゲ?」と「おかしいね、俺〜なのに」である
  3. この二つのコピペのどこが「オマエモナー」の精神を受け継いでいるのか。それは相手を2chの最低基準に引きつける機能を持っているところだ
  4. 三つのコピペはいずれも相手を見下すのではなく、あくまで自分たちのいる「底」へと引っ張り落とそうとする力が働いている
  5. オマエモナー」が相手の呪詛を逆手にとって地獄へ道連れにする神風特攻なら、「それ何てエロゲ?」「おかしいね、俺〜なのに」は、地獄から這い上がろうとする者を引っぱり落とす亡者の手である
  6. ニュース速報板の住人は「ここ(2ch)は地獄の底である」という認識を共有しており、そこから抜け出そうとする者を許さない
  7. 実際、2ちゃんねらーは引きこもりやNEETといった社会的弱者に対しては驚くほど寛容だ
  8. 2chにおいてNEETなど20人に1人いればいいくらいのマイノリティーなのだ
  9. 筆者のあたわるぱさんは「自分もまたクズであるかもしれない」というネガティブだが真摯な連帯の可能性を否定している連中に不満がある。

あたわるぱさんの結論

2ちゃんねらーはクズばかり」。こういったミソもクソも一緒にした紋切り型の批判の背後には、実は大きな可能性が潜んでいる。幾重にも分断された僕らの想像力は、地獄のような匿名の痰壷の中でこそ、初めて他者に想い及ぶのだ。

1,2はつーちゃんねらーの口に膾炙したコピペの提示です。
3,4,5はコピペが好まれる理由の考察です。
6はその結論。「底」しかも「地獄の底」がキーワードのようです。
7,8は具体的な数字を示し、ヒキーNEETは2chでも少ないとします。
そして9と結論の、2ちゃんねるという場における他者への思いやりに到ります。




俺の考察を開始します。
7,8,9と結論に関しては反論は有りません。しかし、この結論に達するまでの1〜6は7以降と無関係だと思います。
氏が6以前と7以降を結びつけたのは、「底」というキーワードによってです。
3で「引き下げ」といい4において「底」と表現する気分は、確かになるほどと思わせます。確かに底、と俺も感じました。
氏はこの底を3から結論まで一貫して「社会の底」と扱います。ここが間違っているように思います。
6以前の底は「2ちゃんねるの底」です。




2ちゃんねるの底」について考察します。
底は底辺であり、ヒエラルキーにおける上辺に対応します。日本の「社会」における底辺は金銭を稼がない(稼げない)ひきこもりやNEETやキモオタに象徴できるでしょう。上辺は「勝ち組投資家」といった所でしょうか。
これらの職業はシンボルであるので実際と乖離しているかどうかは関係ありません。社会的成功、財産の有無大小、名声といったものが基準です。
ではツーチャンネルの底辺は。上辺は。基準は。
コピペを振り返ってみます。「オマエモナー」は議論の無効化です。ところが「そゲ」は議論の虚構化です。
俺はひと昔前の「モナー」と現在の「SNEG?」はあまり強い結びつきはないものと考えます。
「そゲ」は平たく言うと「てめぇ嘘いってんじゃねえ」であり、一歩進めて「嘘じゃねぇんなら証明してみろよ、真実であることを」であります。

ν速+では「ソースだせ」といいます。vipでならただおっぱいがうpされただけでは相手にされません、二言目には「メモだせ」。



2chに行ったことのない人は「怖い所」「下らない所」と認識しているとのことです。ソースはありませんが。ネラーは2chを「便所の落書き」を自称します。
こわい、くだらない、らくがき。これに匿名性、故に無責任発言、ありもしない(たまにある)犯罪予告といったところでしょうか。
2ちゃんねるは匿名者による巨大な「虚偽の集積所」であります。故に虚偽でない真実は何よりも尊い
2ちゃんねるにおける底辺はうそ。上辺は真実。
数年に及ぶのべ一兆人以上(3年掛ける365日掛ける百万人)の分散人力コンピューティングの結論は、数年前の

  • 百万の虚偽からひとつの真実を探す

からパラダイムシフト、

  • ひとつの真実を炙り出すために百万の虚偽を積極的に利用する

に移り変わったようです。




真実を愛するが故に、うそを憎む。真実はどんな疑いも越えあらゆる反論を突破する(故に真実であります)はずですから、何度でも執拗に証明を要求されます。
そして、真実を神と讃えます。
その裏返しとして、うそつきを憎みます。
そのなかでも、「さも真実であるかのようにうそをつく」者を。
ν速+の限界は、匿名者の戯言を徹底排除しますが、そうすると新聞社やテレビ放送といったマス・メディアの発表を、とりあえず真実に近いソースとして信用せざるを得ないところにあります。
2ch最自由のvipperはなぜ「ネタに全力で釣られる」を誇りとしているのか。騙されることを過激なまでに恐れない彼等は、「本当の」ネタを面白がる彼等はなぜ2chネラーのなかであれほどまでに2chネラーらしいのか。
俺に証明は出来ませんが、マスコミは己の組織や権益のためにならどこまでも「真実づらして」捏造するとネラーは疑っています。
2chの住人はそういうものを大いに憎みます。もしかしたら「またか!」「お前もか!」という失望かもしれません。



つーちゃんねらーは「社会の底辺者」に対してなんとも思っていないのではないかと考えます。むしろうそのない彼等に対して好意的ですらあるかもしれません。



2ちゃんねるの匿名性と、それによる百万のうそはなくならないものと予想します(少なくとも内部から自然には)。
2ちゃんねるに流れる情報すべてが虚偽であることを証明することは出来ません。
白い鳥が一羽、存在すればいいのですから。
2ちゃんねるは、終わっていません。課題を徹底的に疑い、虚偽を使いこなすほどに高度化しただけです。




もうすこし言葉を続けるならば、日本の社会に溢れる「公式発表」を信用できないのです。
真実を装ったうそが横行しているのではないか、という疑惑です。
ほんとのことだけ知りたいのです。
それがどんなものであれ。
うそをうそと(r


2ちゃんねらーはクズばかり」そう批判する連中は、一体何を信仰しているんだ?
考えろ、つまり、疑え。