がぁさん「だいらんど」大都社

さてさてさて、だいらんど[Amazon] だ。

だいらんど (Hard comics)

だいらんど (Hard comics)

ぜんぜん話題になった覚えがない。発売日すぐでもちょっとした本屋にゃなくて池袋に大型書店の隅でやっと見つけた記憶がある。
そんなこたぁどうでもいい。
内容。主人公の正雄はうだつのあがらないチンピラ。いっぱしのやくざになるためにと敵組長暗殺を命じられる。雨の中拳銃を持って自分に活を入れる正雄。しかし襲撃は失敗、敵組員に追い詰められもうだめだという次の瞬間
正雄は絵本のような世界「だいらんど」にいた。
はながしゃべり、食べ物がうごきまわり、ひとびとは人形のようにまるく、いつもにこにこお日様燦々なだいらんど。誰も彼も(動植物や無生物まで)歌い踊り死も不幸もない暖かな国だいらんど。
仮にもワルであるちんぴら正雄はそんな冗談のようなだいらんどに拒否反応をしめし、元の世界に帰るために旅に出る。
徐々に明らかになるだいらんどの正体。正雄は一つの選択をする。

異世界に迷い込んで帰ってくるというタイプの物語です。うーむ。あまり紹介する気がしないことに今気付いた。傑作です。面白いです。ファンタジーと呼んでも幻想文学と呼んでも何でもいいですが、この長さの異世界もの漫画では間違いなく私のなかで一番の作品。テーマの掘り下げといい構成といい絵柄との幸せな相性といいこれを越えるものはしばらくお目にかかれないと思ってます。みんなにもっと知ってもらいたいと。
でも声高に紹介する気になれないらしい。
この辺にしておく。
どっかで見かけたら手にとってあげて下さい。あなたにとって良い本でありますように。